Eine Kleine Nachtmusik
ドロシア・タンニング, 1943年
テート・モダン In The Studio(Room 5)

本作はアメリカ出身の画家ドロシア・タンニング(1910-2012)による1943年の油彩画です。廃れたホテルの廊下が舞台で、巨大なヒマワリや等身大の人形、風で逆立つ少女の髪など、現実にはありえない異常な要素が描かれています。
これらは子どもの幻想や悪夢、タンニングが愛したゴシック小説の要素を思わせ、日常空間に不安と神秘を忍ばせています。タイトル『小さな夜の音楽』はモーツァルトの室内楽作品に由来しますが、皮肉的に用いられており、作品全体のシュルレアリスム的なユーモアと不気味さを強調しています。
タンニングの初期の作品に見られる夢と現実の境界を曖昧にする技法がよく示された傑作です。