バースとストーンヘンジ日帰りガイド|鉄道とツアーの使い分け

    Bath & Stonehenge ・ サマセット州・ウィルトシャー州

    ローマ人が2000年前に作った浴場が、ほぼそのまま残っています。バース単体なら鉄道が速くて快適。ただしストーンヘンジと組み合わせるなら、鉄道での自力手配は現実的ではありません。結論から書きます。

    2026年8月時点の情報

    要点

    所要(片道)
    バースまで鉄道で約1時間30分
    滞在の目安
    バース単体なら1日。2か所なら終日ツアー
    ローマ浴場
    £22〜£28 程度(曜日・季節で変動)
    ストーンヘンジ
    £25〜£30 程度。事前予約制
    Oyster
    使えません。目的地までの切符を買ってください
    結論
    2か所回るならツアー、バースだけなら鉄道

    この2か所は日本語のガイドでよくセットで紹介されます。実際、現地発の日帰りツアーの多くが両方を1日で回ります。

    ただし「鉄道で両方行く」のは勧めません。

    理由は単純で、ストーンヘンジへの公共交通が弱いからです。最寄りの鉄道駅はソールズベリーで、そこからさらにバスに乗る必要があります。バースからストーンヘンジへ公共交通で移動しようとすると、乗り継ぎだけで半日が消えます。

    なので、この記事の結論を先に書きます。

    • バースだけ見るなら → 鉄道。約1時間30分で着き、街は駅から徒歩圏。快適です
    • 両方見るなら → ロンドン発の終日ツアー。移動を人に任せるのが最も効率的です

    どちらを選ぶかで記事の読み方も変わるので、まずそこから決めてください。

    なお、バース単体でも1日使う価値のある街です。ローマ浴場だけでなく、18世紀の街並みがそのまま残っていて、街全体が世界遺産に登録されています。

    行き方

    ロンドン側の駅
    パディントン(バース行き)
    運行会社
    GWR
    所要時間(片道)
    バース・スパ駅まで約1時間30分
    本数
    毎時2本程度
    運賃の目安
    Advance なら片道£20台から、当日券は£60以上になることがあります。差が大きい区間なので早めの購入が効きます
    予約
    バースは Advance と当日券の差が大きい区間です。日程が決まっているなら早めに取る価値があります。ストーンヘンジは入場自体が事前予約制なので、時間枠を先に押さえてください。
    Oyster・タッチ決済
    使えませんバースもストーンヘンジもロンドンのゾーン外です。出発前に切符を買ってください。

    着いてから

    駅から中心部へ
    バース・スパ駅からローマ浴場まで徒歩5分ほど。街の見どころは徒歩圏に密集しており、市内交通を使う必要がありません。
    半日なら
    ローマ浴場(1.5〜2時間)+ ロイヤル・クレセントまでの街歩き。これで半日です。
    1日使うなら
    バース修道院、パルトニー橋、街の博物館を加えて1日。ストーンヘンジと組み合わせるなら終日ツアーになります。

    1. まず決める:バースだけか、両方か

    ここで移動手段が変わります

    バースだけ行く場合(鉄道)

    パディントンから約1時間30分、毎時2本程度。バース・スパ駅からローマ浴場まで徒歩5分で、街の見どころは徒歩圏に密集しています。市内交通が要りません。

    日帰りとしては非常に扱いやすい行き先です。朝出て、夕方に戻れます。

    両方行く場合(ツアー)

    ロンドン発の終日バスツアーが現実的な唯一の選択肢です。朝早く出発して、ストーンヘンジとバースを回り、夜にロンドンへ戻ります。

    自力で両方回ろうとするとどうなるかを書いておきます。ロンドン→ソールズベリー(鉄道約1時間30分)→ストーンヘンジ(バス約30分+待ち時間)→ソールズベリーへ戻る→バース(鉄道約1時間)→ロンドン(約1時間30分)。移動だけで6時間近くかかり、それぞれの滞在時間がほとんど残りません。

    ツアーのほうが安いことすらあります。鉄道を当日券で買うと片道£60以上になることがあるためです。

    ヒント

    この判断だけ先に済ませる

    バースだけなら鉄道、両方ならツアー。ここを決めずに調べ始めると、情報が噛み合わなくて混乱します。ストーンヘンジは公共交通が弱い、という一点がすべての理由です。

    2. ローマ浴場は、なぜこれほど残っているのか

    英国にローマ時代の遺構は各地にありますが、ローマ浴場ほどまとまった形で残っている場所はありません。石畳の床、湯を引いた鉛の導管、温泉が湧き出る泉——これらが1900年前の位置にそのままあります。

    理由は温泉です。ローマ人は英国で唯一の天然温泉であるこの地に「Aquae Sulis(スリスの水)」という町を作り、神殿と浴場を建てました。ローマが撤退した後も湯は湧き続け、中世を通じて使われ、18世紀には保養地として再開発されます。使われ続けたから壊されなかったわけです。

    見学は1.5〜2時間が目安。音声ガイドが日本語に対応しており、これがかなり詳しいです。

    注意点が2つあります。

    1. 湯には触れられません。現在の水質では入浴も接触も不可です。温泉に入りたい場合は、近くの温浴施設(Thermae Bath Spa)が別にあります
    2. 入場料が曜日と季節で変わります。£22〜£28 程度が目安ですが、週末と夏季は高くなります

    ローマ期の英国について詳しくは、第1章 ローマ支配とブリタニアにまとめてあります。この浴場が作られた背景が分かると、見学の解像度が上がります。

    実務メモ

    • 音声ガイドは日本語対応。所要時間が伸びるが、これがないと石の羅列に見えてしまう
    • 夏季と週末は入場料が上がり、混雑もする。可能なら平日の朝いちばんが快適
    • 温泉に入りたいなら Thermae Bath Spa が別施設としてある。屋上の露天風呂から街を見下ろせる

    3. バースの街そのものが世界遺産

    ローマ浴場だけ見て帰る人がいますが、街全体を歩く価値があります。バースは市街地そのものが世界遺産に登録されています。

    理由は18世紀の街並みがほぼ完全に残っていることです。ジョージ王朝時代、バースは英国有数の保養地として計画的に開発されました。同じ蜂蜜色の石(バース・ストーン)で統一された街並みが、当時のまま維持されています。

    歩いて回る順路はこうなります。

    1. バース修道院(駅から徒歩5分、ローマ浴場の隣)
    2. パルトニー橋(徒歩5分)— 橋の上に店が並ぶ構造で、フィレンツェのヴェッキオ橋と並ぶ数少ない例
    3. ザ・サーカス(徒歩15分)— 円形に並ぶ集合住宅
    4. ロイヤル・クレセント(すぐ隣)— 三日月形に連なる30棟。バースを象徴する構図

    ここまでゆっくり歩いて2時間ほど。ローマ浴場と合わせると、ちょうど1日になります。

    坂が多い街なので、歩きやすい靴で行ってください。ロイヤル・クレセントは丘の上にあります。

    実務メモ

    • ロイヤル・クレセント前の芝生は自由に入れる。建物を正面から見るならここから
    • パルトニー橋は橋の上より、下流側の岸から見るほうが構図がいい
    • 街の中心は狭い。地図がなくても歩けるが、坂の上り下りで体力を使う

    4. ストーンヘンジで期待値を間違えないために

    正直に書きます。ストーンヘンジは、写真で見たときの印象より小さく感じる人が多いです。

    理由は距離です。石の輪の内側には原則として入れません。外周に設けられた通路から、少し離れた位置で見る形になります。石に触れることも、輪の中心に立つこともできません(特別枠のツアーを除く)。

    これを知らずに行くと「思ったほどでは」となりがちです。逆に、5000年前の構造物が今も立っているという事実そのものに関心があるなら、十分に応えてくれます。

    実務的な注意点

    • 事前予約制です。当日ふらりと行って入れる施設ではありません。時間枠を予約してください
    • ビジターセンターから遺跡まではシャトルバスで移動します。歩くこともできますが片道30分ほど
    • 遮るものが何もない平原にあります。風が強く、体感温度が低い。夏でも風を防ぐ上着があると違います
    • 滞在時間は1.5〜2時間が目安(ビジターセンターの展示を含む)

    公共交通で行く場合、最寄りはソールズベリー駅で、そこから専用バスが出ています。ただし前述のとおり、バースと組み合わせるなら自力手配は現実的ではありません

    注意

    事前予約を忘れずに

    ストーンヘンジは時間枠の事前予約制です。当日券が出ることもありますが、確実ではありません。ツアーに参加する場合は入場料が含まれているか確認してください。含まれていないツアーもあります。

    5. ツアーを選ぶときに確認すること

    両方回るならツアーが現実的、と書きました。ただしツアーの中身にはかなり差があります。予約前に確認すべき点を挙げます。

    入場料が含まれているか

    これが最も重要です。「ストーンヘンジ観光」と書かれていても、入場料別のツアーがあります。含まれていない場合、現地で £25〜£30 程度を別途払うことになります。

    バースの滞在時間

    ツアーによってはバースの自由時間が1時間程度しかないものがあります。それではローマ浴場の見学だけで終わります。街歩きもしたいなら、バースに2〜3時間取っているツアーを選んでください。

    立ち寄り先の数

    ストーンヘンジ+バース+さらに1〜2か所(ウィンザーやコッツウォルズの村など)を詰め込むツアーがあります。移動時間が増えるだけで、それぞれの滞在が短くなります。2か所に絞ったツアーのほうが満足度は高いです。

    帰着時刻

    夜20時〜21時にロンドンに戻る行程が一般的です。その日の夜に別の予定を入れないでください。

    実務メモ

    • 日本語ガイド付きのツアーもあるが数は少ない。英語のツアーでも、移動と入場が主目的なら支障は小さい
    • 集合場所はヴィクトリア・コーチステーション周辺が多い。朝早いので前日に場所を確認しておく
    • ツアーは天候に関わらず催行される。ストーンヘンジは遮蔽物がないので、雨具は必須

    現地の見どころ

    ローマ浴場

    The Roman Baths

    紀元1世紀にローマ人が温泉の上に建てた浴場施設。石畳の床も、湯を引いた導管も当時のまま残っています。英国でローマ時代の建造物をこれだけまとまった形で見られる場所は他にありません。

    入場料

    £22〜£28 程度。曜日と季節で料金が変わります

    ロイヤル・クレセント

    Royal Crescent

    30棟の家が三日月形に連なるジョージ王朝様式の集合住宅。1774年完成で、今も住居として使われています。1番地だけが博物館として公開されています。

    入場料

    外観は無料。No.1 Royal Crescent(博物館)は有料

    バース修道院

    Bath Abbey

    扇状ヴォールトの天井が見事な教会。西側正面の壁には、天使が梯子を上り下りする独特の彫刻があります。塔に登るツアーもあります。

    入場料

    寄付制(塔のツアーは別料金)

    ストーンヘンジ

    Stonehenge

    約5000年前から段階的に作られた環状列石。ビジターセンターから遺跡まではシャトルバスで移動します。石の輪の内側には原則として入れず、外周の通路から見る形です。

    入場料

    £25〜£30 程度。事前予約制です

    よくある質問

    参考・公式情報

    料金・時刻・制度は変更されます。本記事は2026年8月時点の情報です。渡航前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。

    ほかの行き先とガイド

    日帰りで行ける

    Windsorウィンザーバークシャー州 ・ 約30分〜1時間現在も使われている世界最古の居住城。ロンドンから最も手軽な「王室の本物」で、半日で戻れます。ただしOyster圏外なので、切符の買い方だけ先に押さえてください。
    Oxfordオックスフォードオックスフォードシャー州 ・ 約1時間英語圏最古の大学。ただしカレッジは学期中に見学が制限されるので、「行けば入れる」ではありません。行く前に見学可否を確認する手順まで。
    Cambridgeケンブリッジケンブリッジシャー州 ・ 約1時間20分パント(平底舟)で川から眺めるカレッジ群。オックスフォードとどちらを選ぶかで迷う人が多いので、その判断基準から書きます。
    The Cotswoldsコッツウォルズグロスターシャー州ほか ・ 約1時間30分〜2時間蜂蜜色の石造りの村が点在する丘陵地帯。このセクションで唯一、公共交通が実用にならない行き先です。ツアーか車を勧める理由を正直に書きます。
    Brightonブライトンイースト・サセックス州 ・ 約1時間ロンドンから最短で着く「英国の海辺」。砂ではなく小石の浜と、インド風の異様な離宮。天気に賭ける日帰りなので、外れた日の代替も用意します。
    Canterburyカンタベリーケント州 ・ 約1時間英国国教会の総本山。ヘンリー8世がローマと断絶した宗教改革の帰結が、この大聖堂ひとつで見て取れます。