ロンドン自然史博物館Natural History Museum
4.5億年の地球史と生命を巡るロンドン屈指の無料博物館
- 料金
- 無料
- 所要時間
- 3時間〜
- 最寄駅
- South Kensington駅 徒歩5分
- 開館時間
- 10:00〜17:50 (最終入場17:20)
料金・開館時間は変更されることがあります。訪問前に 公式サイト で最新情報をご確認ください。
ロンドン自然史博物館は、4.5億年の地球の歴史を80万点以上のコレクションで辿る世界的博物館。巨大な青いシロナガスクジラ骨格『Hope』、恐竜化石、隕石、鉱物標本など、生命の進化から地球科学まで幅広く展示。ヴィクトリア時代の重厚なゴシック建築も必見。入場無料で、家族連れから研究者まで楽しめる。
このページの内容
着いてからの歩き方
ロンドン自然史博物館に着いたら、この順に見ていくと迷いません。
- コツ
無料。ただし混雑には作戦がいる
入場無料で予約も原則不要ですが、週末と学校休暇の午前は入口に列ができます。空いているのは平日の16時以降。子ども連れが帰り始める時間帯で、恐竜ギャラリーも待たずに入れます。
- 見どころ
ヒンツェ・ホールのシロナガスクジラ
エントランスの大広間に、全長25mのシロナガスクジラの骨格が天井から吊られています。「Hope」と名付けられたこの個体は1891年にアイルランド沖で座礁したもの。2017年まではディッピー(ディプロドクスの複製)が置かれていた場所で、実在した現生種の骨に入れ替えたのは、絶滅は過去の話ではないという館のメッセージです。
- 見どころ
恐竜ギャラリー
館内で最も混む一角。吊り橋状の通路を進んで見下ろす構成で、途中に動くティラノサウルスの実物大模型があります。一方通行なので引き返せません。混雑時は入場待ちの列ができるため、開館直後か夕方に回すのが無難です。
- 見落としやすい
建物そのものが展示物
1881年完成のアルフレッド・ウォーターハウス設計。柱や壁のテラコッタ装飾がすべて動植物で、西棟は現生種(ライオンや狼)、東棟は絶滅種(サーベルタイガーや翼竜)と厳密に描き分けられています。これは設計上の遊びではありません。創設を主導したリチャード・オーウェンが、過去の種と現在の種を連続したものと見なすダーウィンの説に反対していたため、建築の意匠でも両者を混ぜさせなかったのです。19世紀の論争が壁に固定されています。
- 見落としやすい
地震シミュレーターと火山
レッド・ゾーンにある地球科学の展示。1995年の阪神・淡路大震災を再現した、神戸のスーパーマーケットを模した床が揺れる装置があります。日本からの訪問者にとっては見え方が違う展示かもしれません。
- コツ
隣に2つ、同じ無料の館がある
サウス・ケンジントンのこの一帯は「ミュージアム・クォーター」で、ヴィクトリア&アルバート博物館と科学博物館が徒歩数分の距離に並んでいます。どちらも入場無料。1日で3館は無理があるので、2館に絞るのが現実的です。
建物そのものが、19世紀の科学論争の記録
1881年に開館したこの建物は、単なる器ではありません。装飾に科学上の主張が埋め込まれています。
設計はアルフレッド・ウォーターハウス。壁や柱を覆うテラコッタには動植物が精密に彫られていますが、その配置には厳格な規則があります。西棟には現生種——ライオン、狼、生きている植物。東棟には絶滅種——翼竜、サーベルタイガー、アンモナイト。両者は決して混ざりません。
これは意匠上の遊びではなく、館の創設を主導したリチャード・オーウェンの指示によるものです。彼は「恐竜(dinosaur)」という言葉を作った当代一流の解剖学者でしたが、同時にダーウィンの進化論に反対していました。過去の種と現在の種が連続しているという考えを認めない以上、展示でも建築でも両者を並べるわけにはいかない。だから壁の彫刻まで東西に分けさせたのです。
結果として、この建物は論争に敗れた側の主張が石に固定されたまま残っているという奇妙な状態になりました。いま館内では進化が当然の前提として説明されていますが、壁は依然としてオーウェンの分類に従っています。
ヒンツェ・ホールを歩くときに柱を見上げてみてください。どちらの棟にいるかで、彫られている生き物の種類が変わります。
天井から吊られたクジラには、名前と経歴がある
エントランスの大広間に吊られたシロナガスクジラの骨格には「Hope」という名前がついています。作り物ではなく、実在した個体です。
1891年3月25日、アイルランド南東部ウェックスフォード港近くの砂州に、この個体が座礁しているのが見つかりました。発見したのは漁師のエドワード・ウィッカム。クジラは浅瀬で2日間もがき、最終的に即席の銛で仕留められました。捕鯨の獲物ではなく、座礁して死んだ個体です。博物館はこれを £250 で購入しました。
骨格は全長25.2m、221本の骨からなります。1934年から哺乳類ホールに展示されていましたが、2017年7月14日にここへ移されました。このとき姿勢が変えられ、突進しながら口を開けて採餌する形で吊られています。この姿勢で展示されているシロナガスクジラの骨格は世界でここだけです。
置き換えられる前にこの場所にいたのが、ディプロドクスのディッピーでした。人気者でしたが、こちらは本物の化石ではなく石膏の複製です。原標本はピッツバーグのカーネギー博物館にあり、エドワード7世がスケッチを見て欲しがったのを受けて、アンドリュー・カーネギーが複製を作らせたもの。292本の骨が36箱で届き、1905年5月12日に300人を招いた式典で公開されました。
つまり2017年の交代は、複製の絶滅種から、実在した現生種の実物への置き換えでした。シロナガスクジラは20世紀の捕鯨で絶滅寸前まで追い込まれ、その後の保護で個体数を戻しつつある種です。「Hope」という名は、絶滅が過去の話ではないこと、そして人間の側で結果を変えられることの両方を指しています。
豆知識
- 地震シミュレーターは、神戸を再現している。レッド・ゾーンの地球科学展示にある、床が揺れる装置。舞台は1995年の阪神・淡路大震災で、被災したスーパーマーケットの店内が再現されています。日本から訪れた人にとっては、他の見学者とは違う受け止め方になる展示かもしれません。
- ダーウィンの像は、一度この場所から追い出されている。ヒンツェ・ホールの階段上に座る大理石像は、1927年から2008年まで別の場所へ移されていました。生誕200年に合わせて元の位置に戻されています。オーウェンの像は現在、階段の反対側にあります。進化論に反対した創設者と、進化論の提唱者が、同じホールで向き合っている構図です。
- 収蔵は8,000万点だが、展示されているのはごく一部。大半は研究用の標本で、館の本業は研究機関としての活動です。ダーウィンがビーグル号で採集した標本もここにあります。
- 正面の建物は「自然の大聖堂」と呼ばれる。ウォーターハウスはロマネスク様式の教会建築を下敷きにしました。中央の大階段を上って振り返ると、身廊のある教会とほぼ同じ構成になっているのが分かります。
無料だが、混雑には作戦がいる
入場は無料で予約も原則不要です。ただし週末と学校休暇の午前中は入口に行列ができます。
空いているのは平日の16時以降。子ども連れが帰り始める時間帯で、最も混む恐竜ギャラリーも待たずに入れることが多いです。恐竜ギャラリーは吊り橋状の通路を進む一方通行で、途中で引き返せません。混雑時は入場待ちの列ができるので、開館直後か夕方に回すのが無難です。
サウス・ケンジントンのこの一帯は「ミュージアム・クォーター」と呼ばれ、ヴィクトリア&アルバート博物館と科学博物館が徒歩数分に並んでいます。どちらも無料。ただし1日で3館は現実的ではないので、2館に絞ってください。
地下鉄駅からは地下通路が伸びていて、雨の日でも濡れずに来られます。
場所とアクセス
美術館・博物館ガイド
自然史博物館をじっくり見る
注目作品、所要時間の目安、開館時間、館内の回り方は美術館ガイド側にまとめています。
みんなの口コミ
ロンドン自然史博物館を訪れた感想や、これから行く人に役立つコツがあれば教えてください。
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