Titus, the Artist’s Son
レンブラント・ファン・レイン, 1657年
ウォレス・コレクション East Gallery I

『息子ティトゥス』は、レンブラントが1657年に描いた息子ティトゥスの肖像です。
ティトゥスはレンブラントの最初の妻サスキアとの間に生まれた唯一の生存児です。夫妻は1634年の結婚後すぐに子をもうけようとしましたが、最初の3人の子は幼少で亡くなり、サスキアもティトゥスが1歳になる前に亡くなりました。本作では、ティトゥスは16歳頃で描かれ、父の破産後に家族の事業を任される責任を象徴するかのような真剣な表情が見られます。
衣装は16世紀ヴェネツィア風で、金のイヤリングとチェーン、そして赤いハイライトの入ったふんわりとした巻き毛のヘアスタイルが印象的です。レンブラントはしばしば被写体に様々な衣装を着せて描き、肖像でありながらも創作キャラクターのように見せることがあります。本作もティトゥス自身の肖像でありつつ、肖像画・ジャンル画・幻想的人物画の境界を曖昧にする表現となっています。