Prince Baltasar Carlos in Silver
ディエゴ・ベラスケス, 1633年
ウォレス・コレクション Great Gallery

『銀衣のバルタサル・カルロス王子』は、スペイン王フィリップ4世の第一王妃イザベル・ド・ブルボンとの息子、バルタサル・カルロス王子の幼少期を描いた肖像画です。
この作品では、王子は約3歳で描かれており、ベラスケスの自由で軽やかな筆致によって銀の衣装の輝きや質感が鮮やかに表現されています。胸当て(ゴルジェ)、ピンクのサッシュ、手に持つ杖とレイピアなど、未来の王としての象徴的装備も描かれています。
作品の所有歴は18世紀にアルタミラ伯爵家、19世紀にはフランス王ルイ・フィリップに渡りました。特に4代目ハートフォード侯爵は1855年にこの作品を購入した際、「ベラスケスは美しい」と感嘆しています。
この肖像は、幼児期の王族の威厳や愛らしさを同時に捉え、王家の権威と芸術的技量を示す名作といえます。