The Harpsichord Lesson
ヤン・ステーン, 1660–1669年
ウォレス・コレクション East Gallery II

『チェンバロの稽古』は、ヤン・ステーンが1660–1669年頃に制作した風俗画です。
本作は、17世紀オランダの恋愛儀礼をテーマにした中〜後期の繊細な絵画(テール・ボルフやフランス・ファン・ミーリスの作品)に対するステーンのユーモラスな応答として描かれています。作品では、チェンバロに座る少女の教師を装う老紳士という不釣り合いな恋人関係が描かれています。
絵の中央には大きな鍵が掛けられ、老紳士の手の上に位置することで、彼の欲望が暗示されています。しかし、その想いが無視されていることは、上部に描かれた眠るヴィーナス(愛の女神)とキューピッド(性愛の神)によって象徴的に示されています。
この作品は、ステーン特有のユーモアと観察眼、象徴的なアイテムを通した物語表現が学べる貴重な例です。