Crossing the Brook
小川を渡る
J.M.W. ターナー, 1815年
テート・ブリテン Room 31

作品の概要
この作品は、イングランド南西部デヴォン州タマーバレーの風景を描いた油彩画です。橋の上方には鉱山が描かれ、当時の産業活動が示唆されています。長距離の遠景を樹木で額縁のように囲む構図は、17世紀フランスの画家クロード・ロランの風景画を思わせるもので、当時の美術コレクターに人気がありました。
1815年、ワーテルローの戦いの年に展示されたため、観賞者はこの作品に込められた英国風景の美しさと生産力を讃える愛国的な意味に敏感であったと考えられます。ターナーは自然の美と人間活動の調和を巧みに描き、風景画の伝統を継承しつつ独自の光の表現を発展させています。
ここがポイント
- デヴォン州タマーバレーの風景を温かい光で描写
- 遠景を樹木で額縁のように囲み、クロード・ロラン風の構図を採用
- ウォータールーの年に展示され、英国風景の美と生産力を愛国的文脈で表現