Yacht Approaching the Coast
J.M.W. ターナー, 1840-1845年頃
テート・ブリテン Room 35

この作品は、J.M.W. ターナーが1840〜1845年頃に制作した未完成の油彩画で、海岸に近づくヨットを描いています。水面に反射する太陽光が眩しく、画面の一部を覆い隠している視覚効果は、ターナーが数年にわたり加筆した制作過程を反映しています。
暗い形状は船を、左側の建物はヴェネツィアを示唆している可能性があります。ターナーはこの再制作の過程で、ヨットという具体的な主題から光そのものの描写へ焦点を移しました。多層の絵具による重なりが、光の反射と大気感を豊かに表現しています。
未完成でありながら、光の効果と変化する構図を追求したターナーの探求心がよく表れた作品です。