Christ in the House of His Parents ('The Carpenter's Shop')
ジョン・エヴァレット・ミレイ, 1849〜1850年
テート・ブリテン Room 10

この作品は、聖家族(イエス・キリスト、マリア、ヨセフ)を日常的な労働者として描いた油彩画です。当時の社会で高まっていた労働への尊重を反映し、ヨセフは画家自身の父の顔をモデルに、また腕は地元の八百屋のたくましい腕を参考に描かれています。
細部の描写には深い意味が込められており、イエスの手と足の血のしずくは後の十字架刑を予示しています。人物は視線や身体の配置によって、自然にマリアと幼子イエスに注目が集まるよう構成されています。
発表当時、この作品は非常にリアルな描写が物議を醸し、作家のチャールズ・ディケンズも批判に加わるほどでした。プリ・ラファエル派の特徴である、文学的・宗教的題材を日常的・自然主義的に描く手法が強く表れた作品です。