Chatterton
ヘンリー・ウォリス, 1856年
テート・ブリテン Room 10

この作品は、18世紀の若き詩人トーマス・チャタートンの悲劇的な最期を描いた油彩画です。チャタートンは、貧困の中で中世風の偽詩を売って生活しようとしましたが、17歳で自殺(ヒ素服用)しています。ビクトリア時代の観客にとって、彼は個人芸術家の理想と社会の物質主義の葛藤を象徴する存在でした。
ウォリスは作品展示時に、詩人クリストファー・マーロウの言葉「Cut is the branch that might have grown straight(真っ直ぐに育つはずの枝は切られた)」を添え、チャタートンの未完の可能性と悲劇性を強調しました。暗い室内の光や人物の表情によって、若き天才の儚さと絶望感が印象的に表現されています。