Covent Garden Market
Balthazar Nebot, 1737年
テート・ブリテン Room 3

この作品は1737年のコヴェントガーデン市場を描いた都市風景画です。画面は西向きで、セントポール教会方向を望んでいます。市場の建物や通りの様子、人々の活動が細かく描かれ、当時のロンドンの日常生活や商業活動の様子を知ることができます。
コヴェントガーデン市場は18世紀ロンドンの文化・経済の中心地として、芸術家にとっても人気の題材でした。
コヴェントガーデンの土地は、古代ローマ時代にはストランド沿いの交易路(Silchesterへの道)として利用され、少なくとも350年頃には神聖な場所として墓地が存在していたことが発掘によりわかっています。6世紀頃にはアングロサクソン期の交易都市Lundenwicが形成され、コヴェントガーデンはその中心地でした。
中世にはベネディクト会の修道士が土地を所有し、13世紀には果樹園や牧草地、耕作地が混在する40エーカーの四角形の土地となりました。1515年には「Convent Garden」という名称が文書に登場し、以降の記録に残ります。
1552年にエドワード6世はこの土地をジョン・ラッセル、初代ベッドフォード伯爵に授与しました。ベッドフォード家は庭園や邸宅(Bedford House)を整備し、1630年には建築家イニゴ・ジョーンズにより教会と広場を囲むテラスの設計を依頼しました。18世紀には歓楽街としても知られ、市場が南側に発展すると、裕福な住民は撤退し、コーヒーハウスや酒場、売春宿が増えました。
19世紀には市場の恒久的な建物が建設され、20世紀半ばまで不動産会社や政府が管理。1960年代末には市場が移転され、広場は再開発の危機に直面しましたが、1973年の保護措置により歴史的建物は守られ、1980年には中心建物がショッピングセンターとして再オープンしました。2004年には地域住民や事業者と協議の上で、歴史的特色を維持しつつ地域改善の計画が策定されました。