The Brazen Serpent
ペーテル・パウル・ルーベンス, 1635-1640年頃
ナショナル・ギャラリー Room 18

ペーテル・パウル・ルーベンスによる本作(1635–1640年頃)は、旧約聖書『出エジプト記』の物語を題材としています。イスラエルの民が罪と不信仰のため神に罰せられ、毒蛇の災いに襲われた場面が描かれています。
画面中央では、モーセが祭司エレアザルとともに人々に向かい、柱に掲げられた青銅の蛇を仰ぎ見るよう呼びかけています。見上げる者は命を救われるとされ、この蛇は信仰による救済の象徴となっています。
さらに、作品表面にはルーベンス自身が加えた構図変更の跡が確認でき、彼の制作過程や即興的な修正が垣間見えます。躍動感あふれる筆致と群衆の緊迫感が相まって、作品は宗教画でありながら壮大なドラマ性を帯びています。