Portrait of Jacob Trip
レンブラント, 1661年頃
ナショナル・ギャラリー Room 22

この作品はレンブラントによる1661年頃の油彩肖像画で、オランダの裕福な商人ヤコブ・トリップ(1575-1661)を描いています。トリップ家は鉱業、製造業、貿易で巨万の富を築いた名家です。本作はトリップの晩年の姿を讃える目的で描かれ、完成時には彼が亡くなっていた可能性もあります。
レンブラントは、繊細でほぼ印象派的な筆触を用いて、老齢による身体の弱さや肌の質感を表現しています。また、光と影を巧みに操ることで、人物の心理的深みと内面の尊厳を引き出しています。
豊かな衣装の質感や表情豊かな手の描写を通じて、表面的な肖像以上に人間性や個性が伝わる作品であり、レンブラント後期肖像画の傑作例とされています。