Landscape with Poplars
ポール・セザンヌ, 1885-1887年頃
ナショナル・ギャラリー Room 44

本作はポール・セザンヌによる油彩画(1885-1887年頃)で、南フランス・プロヴァンスの夏の風景を描いています。セザンヌは印象派の影響を受けつつも、光の一時的な変化を捉えるのではなく、色彩を用いて画面全体の構造を体系的に組み立てる方法を採用しました。
大きなポプラの樹木は、青と緑の縦・斜め方向の筆致で形成され、自然物の柔らかさと中心に描かれた家屋や低い石壁の幾何学的な形態との対比が鮮やかです。家屋は広いオーカー色や青灰色の色面で描かれ、屋根や壁は濃い輪郭で強調され、赤の小さな筆致も加えられています。
前景の草地は自由でほとんど走り書きのような筆触で表され、空は比較的手を加えられていない均質な色面で構成されており、画面右端には下地の生地が見える部分もあります。この短い筆触と生地の活用、色面の重なりによって、立体感と奥行きが生み出されています。
セザンヌ自身は後に、「印象派を美術館の作品のようにしっかりとしたものにしたかった」と述べており、本作はまさに印象派的技法を継承しつつ、持続可能な構造を持つ風景画として昇華させた代表例です。