An Old Woman ('The Ugly Duchess')
クイントン・マッシス, 1513年頃
ナショナル・ギャラリー Room 54

この作品はクイントン・マッシスによる風刺的肖像画で、1513年頃に制作されました。描かれた老女は、当時の美の基準や社会的振る舞いを大胆に逸脱した奇抜な服装と顔立ちを持ち、風刺画としての肖像の先駆例となっています。
マッシスはこの構想をレオナルド・ダ・ヴィンチの素描に基づいて描き、精緻な描写と独創的な表現で人物の特徴を誇張しています。その奇怪さとユーモアにより、ヴィクトリア朝時代には「醜い公爵夫人」として知られるようになり、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』(1865年)の挿絵にも影響を与えました。
この作品は、肖像画の形式を用いながらも、社会批評や風刺を巧みに融合させたユニークな傑作です。