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    Saint Jerome

    聖ヒエロニムス

    コジモ・トゥーラ, 1470年頃

    ナショナル・ギャラリー Room 59

    聖ヒエロニムス

    作品の概要

    この作品はコジモ・トゥーラによる15世紀イタリア・フェラーラの宗教画で、悔悛する隠者としての聖ヒエロニムスを描いています。聖人は自ら胸を石で打ち、血を流す姿で表され、苦行と祈りによる精神的浄化が強調されています。

    聖ヒエロニムスは、キリスト教初期の著名な教父・学者の一人でラテン語聖書「ヴルガータ(Vulgate)」を完成させた人物であり、苦行や学問の象徴として宗教画に頻繁に登場します。

    画面には、聖ヒエロニムスがまだ取り除いていないかもしれない、咆哮するライオンの前足に刺さった棘のエピソードが描かれており、聖人の慈悲深さや人間的側面を示しています。また背景には、フランシスコ会の修道士と、寄進者である可能性のある世俗の人物が跪き、物語の文脈と信仰の関わりを補足しています。

    この作品はもともとより大きな祭壇画の一部で、別の断片にはキリストの幻視を描いた場面も残っています。悔悛と信仰の緊張感が際立つ、初期ルネサンス期の精緻な宗教画です。

    ここがポイント

      • 自ら石で胸を打ち悔悛する聖ヒエロニムスの厳しい表現
      • ライオンの爪に刺さった棘のエピソードを描写した逸話性
      • 後方に跪くフランシスコ会修道士と寄進者を示唆する人物描写