Landscape with a Man scooping Water from a Stream
ニコラ・プッサン, 1637年頃
ナショナル・ギャラリー Room 29

本作はフランス生まれの画家ニコラ・プッサンによる風景画(1637年頃)で、ローマ周辺の田園風景、通称カンパーニャを描いています。
特定の物語を描くのではなく、砂地、緑豊かな木々、靄のかかる山々などの自然を丹念に描写し、理想化した風景を作り上げています。画面には小さな人物が描かれていますが、筋肉の隆起や衣服のたなびきは古代彫刻を思わせる造形美が反映されています。
プッサンは都市の外へ出て屋外スケッチを行い、それを基にスタジオで油彩画として完成させました。この手法は、クロード・ロランら同時代の風景画家にも影響を与え、18世紀にはイギリスのグランドツアーの貴族たちに作品が収集され、理想化された風景の模倣が郊外の邸宅造園にも見られました。
また、彼の自然観察と構図の手法は、後の画家たちの制作法にも大きな影響を与えています。