Mystic Nativity
サンドロ・ボッティチェリ, 1500年
ナショナル・ギャラリー Room 64

この作品は、サンドロ・ボッティチェリによる「神秘的な降誕」です。1500年、ヨーロッパでは終末への不安が広がり、フィレンツェではドミニコ会の改革者ジョロラモ・サヴォナローラ(1452-1498)が来るべき反キリストについて説き、人々に悔い改めを促していました。そのような不安定な時代に制作された絵画です。
天井の上では天国が開き、天使たちが手を取り合って聖母マリアを讃えています。前景では、善良な人々が天使と抱き合い、悪魔が暗闇に追放される様子が描かれ、善と悪の象徴的な対比が表現されています。
特筆すべきは、モルダント・ギルディングと呼ばれる金箔技法です。この技法では、油性の接着剤を絵の特定部分に塗った上に金箔を貼り付け、光の加減で光のきらめきや衣服の装飾の細部を際立たせます。キャンドルの灯りで金箔が反射し、画面全体が生き生きとした輝きを放つ仕組みです。
この絵は、宗教的象徴性と技術的技巧が融合したルネサンス後期の重要な作品です。