The Donne Triptych
ハンス・メムリンク, 1478年頃
ナショナル・ギャラリー Room 53

この作品はハンス・メムリンクによる三連祭壇画で、ウェールズの廷臣・軍人・外交官ジョン・ドンネ(1503年没)、妻エリザベス・ヘイスティングス(1507/8年没)、そして娘の一人が描かれています。人物たちは聖人に導かれ、聖母子の前に紹介される構図となっています。
祭壇画の外側の羽根には、石像のように描かれた聖人たちが配され、立体感と写実性を巧みに表現しています。背景には広大な風景が広がり、衣装や建物の細部まで丁寧に描かれており、当時の観覧者に強い視覚的インパクトを与えました。
ジョン・ドンネは1470年代に低地諸国を頻繁に訪れており、おそらくこの祭壇画をその時期に依頼したと考えられています。メムリンクの精緻で生き生きとした肖像表現と壮麗な場面描写は、当時の英王室においても高く評価されたでしょう。