A Man and a Woman
ロベール・カンパン, 1435年頃
ナショナル・ギャラリー Room 52

この作品はロベール・カンパンによる夫婦の肖像画で、二点セットとして制作されました。座る人物の身元は不明ですが、衣装から裕福な都市市民であったことがうかがえます。
カンパンは特徴的なリニアスタイル(線描を重視する表現)で、夫婦の性格や個性の差を巧みに表現しています。女性の輝く肌や穏やかな表情、若々しい雰囲気は、白いリネンのヘッドドレスの精緻な描写と相まって非常に印象的です。一方、男性はやや青白い肌で疲れた表情を見せ、年齢や人生経験が感じられます。
この対の肖像画は、単なる似顔絵に留まらず、衣服や表情を通じて社会的地位や個性の違いを表現する初期フランドル絵画の典型例といえます。