Christ on the Cross
ウジェーヌ・ドラクロワ, 1853年
ナショナル・ギャラリー Room 38

本作はウジェーヌ・ドラクロワによる油彩画(1853年)で、十字架上のキリストを描いた作品です。ヨハネによる福音書に基づき、キリストは母マリアと弟子ヨハネに最後の言葉をかけます。マリアはヨハネやマリア・クレオパと共に崩れ落ち、マグダラのマリアは十字架の足元で祈っています。
特徴的なのは、ユダを十字架場面に描き入れるという異例の構図で、絶望に打ちひしがれる姿が描かれています。ドラクロワはルーベンスの表現豊かな筆致から影響を受け、劇的な光と影の対比で場面の緊張感と感情の高まりを強調しています。
フランス・ロマン主義絵画の代表作として、感情表現とドラマチックな構図の融合を示す重要な作品です。