Ukrainian Dancers
エドガー・ドガ, 1899年頃
ナショナル・ギャラリー Room 42

エドガー・ドガが晩年に制作した《ウクライナの踊り子たち》は、19世紀末にパリで人気を博したウクライナ舞踊団の力強い踊りを主題としています。縦方向の繰り返し線は、踊り子たちの激しい足踏みのリズムを視覚的に表現しています。
ドガは厚く塗り重ねたパステルが混ざらないようにフィクサチフ(定着液)を用い、その結果として色彩の層が際立ち、密度のあるダイナミックな質感が生まれています。また、紙の下部に新たな紙片を継ぎ足すことで構図を拡張し、踊りの動きが画面の外へと広がるような印象を与えています。
本作は、ドガが得意とした踊りの主題に異国的な要素を取り入れた作品であり、彼の色彩実験と構図への挑戦がよく表れています。