Venus and Mars
サンドロ・ボッティチェリ, 1485年頃
ナショナル・ギャラリー Room 61

この作品は、サンドロ・ボッティチェリによる「ヴィーナスとマルス」です。ヴィーナスは服を着たまま目覚めており、裸の恋人マルスをじっと見つめています。マルスは深い眠りに落ちており、騒がしい若いサティロスや頭のそばで羽音を立てる蜂に気づいていません。
この蜂(イタリア語でvespe)は、作品を依頼した可能性のあるヴェスプッチ家を象徴していると考えられます。また、この絵は古代彫刻や古典絵画、当時の詩の影響を受けつつ、男性と女性の性的満足についてのユーモラスな寓意としても読むことができます。当時、フィレンツェの寝室の壁板に組み込まれていたとも伝えられています。
ヴィーナスとマルスの表情や小さな寓意の描写により、ルネサンスの美とユーモアを融合させたボッティチェリ独自の世界観を楽しめる作品です。