The Coronation of the Virgin
ヨハン・ローテンハンマー, 1596-1606年頃
ナショナル・ギャラリー Room 26

ヨハン・ローテンハンマーによる本作(1596–1606年頃)は、北ヨーロッパ出身の画家がローマで制作した宗教画の一例で、聖母マリアの戴冠の瞬間を描いています。天使、キリスト教の殉教者、聖人たちがその場に立ち会う荘厳な光景が表現されています。
聖母の戴冠は、カトリック美術でよく描かれる宗教画のテーマで、聖母マリアが天上で女王として冠を授けられる場面です。「戴冠」は、マリアが地上での生涯を終えた後、天国で神からその栄誉を与えられる象徴的な瞬間です。
ローテンハンマーはローマ滞在中、銅板に描く繊細な技法で評判を築き、細密で明瞭な色彩表現を特徴としました。本作でも人物や衣装、天使の羽など、細部まで緻密に描かれています。
特に注目すべきは、画面右側の髭をたくわえた人物で、後にパウルス5世として即位するカミッロ・ボルゲーゼ(1550-1621)と同定されています。宗教的荘厳さに加え、歴史的な人物を登場させる点でも興味深い作品です。