A Vase of Flowers
ポール・ゴーギャン, 1896年
ナショナル・ギャラリー Room 43

この作品は、ゴーギャンが1896年に描いた花の静物画です。ブーゲンビリア、ハイビスカス、プルメリア、タヒチ産ガーデニア、青い葉などが装飾的な花瓶に丁寧にアレンジされ、花びらがテーブル上に散らされています。花の形や色彩のバランスが非常に繊細に計算されており、観る者に自然の生命力と装飾美を同時に感じさせます。
ゴーギャンは若い頃から花を愛し、多くの花の研究作品を制作しました。この影響は同時代の画家オディロン・ルドン(1840-1916)にも及び、ルドンの『オフィーリア』(Room 42展示)にもゴーギャン風の花の表現が見られます。静物画でありながら、花の質感や光の反射、葉や花びらの微細な動きを生き生きと描写することで、ゴーギャン独自の色彩感覚と構図の美学が際立つ作品となっています。