The Trinity and Mystic Pietà
ハンス・バルドゥング・グリーン, 1512年
ナショナル・ギャラリー Room 55

この作品はハンス・バルドゥング・グリーンによる宗教画で、キリストの死後の嘆きの場面を描いたものです。作品のタイトルにある「三位一体(Trinity)」とは、キリスト教における神の三つの位格、すなわち父なる神、子なるキリスト、聖霊の三者が一体であることを意味します。「ピエタ(Pietà)」はイタリア語で「哀悼」を意味し、聖母マリアが十字架から下ろされたキリストの遺体を抱いて嘆く場面を指します。
この絵では開かれた墓の中で聖母と聖ヨハネがキリストを嘆く一方、父なる神がキリストの遺体を支え、上空には聖霊を象徴する鳩が浮かんでいます。背景の黄色い空は神秘的かつ象徴的で、死と神性の両方を表現しています。
画面下部には、制作を依頼したストラスブルクの家族が描かれており、祈りと記念の意味が込められています。バルドゥング特有の幻想的で象徴的な表現が際立つ一作です。