ロンドLogoJUST RONDON - ロンドン観光・旅行・現地ガイド
    ロンドLogoLive.Love.London. - 最強ロンドンガイド
    • 旅行プランを作る
    • 今週のロンドン
    お問い合わせサイト概要利用規約プライバシーポリシーTop Pageへ

    ジャスト・ロンドンは、ロンドンの深層に迫る力量も器量もない中途半端な存在ですが、旅の判断をほんの少し整える一文が紛れていれば、それだけで存在理由になります。

    1. Home
    2. /観光
    3. /美術館ナビ
    4. /ナショナル・ギャラリー
    5. /コレクション
    6. /シャトー・ノワールの庭

    The Grounds of the Château Noir

    シャトー・ノワールの庭

    ポール・セザンヌ, 1900–1904年頃

    ナショナル・ギャラリー Room 44

    シャトー・ノワールの庭

    作品の概要

    シャトー・ノワールは、エクス=アン=プロヴァンスとル・トロネの間に位置する広大な敷地をもつ屋敷でした。1897年からセザンヌはこの建物の一室を借り、1899年には買い取ろうと試みましたが実現せず、1902年に近くのレ・ローヴのアトリエが完成するまで利用し続けました。その後も死の直前まで馬車で通い、この敷地を好んで描きました。

    本作に描かれているのは、屋敷の北東にある岩の多い急斜面に生える木々です。斜めに傾いた地形は今にも岩が転げ落ちそうな不安定さを感じさせますが、セザンヌの静物画の食卓が物理法則に逆らうかのように、この岩も揺るぎなく配置されています。厚い樹木の群れが空をほとんど覆い隠し、わずかに上部に淡い青の空がのぞきます。ところどころに差す青の反射光が地面に現れ、セザンヌの「光は直接描けず、色彩によって表される」という考えを体現しています。

    画面中央の小さなオレンジ色の斑点が焦点となり、周囲のオレンジや褐色と響き合います。冷たい緑や灰色の樹木と対比をなすものの、全体としては暗い灰、茶、濃緑が支配的です。ファセット状の重なり合う筆致によって彫刻的な質感が生まれ、この技法は後のピカソやブラックのキュビスムに引き継がれました。

    高い地平線と閉ざされた視界、重苦しい色彩は、10年前の《シャンティイの並木道》の明るく均整のとれた構図とは対照的です。晩年のセザンヌは人の手が加わらない荒々しい自然に惹かれ、そこに自身の内面の暗い気分や、若き日の作品に潜んでいた激しさの反映を見出していたのかもしれません。

    ここがポイント

      • セザンヌが愛した孤立した館の敷地を描いた作品
      • 岩や木々が重なり合い、光は色彩で表現される
      • キュビスム初期のピカソやブラックに影響を与えた筆致