After the Bath, Woman drying herself
エドガー・ドガ, 1890–95年頃
ナショナル・ギャラリー Room 42

エドガー・ドガが晩年に描いた《浴後、身を拭く女》は、女性の入浴という伝統的なモチーフを扱いつつ、古典的で理想化された裸婦像とは異なるアプローチを示しています。モデルはスタジオでポーズを取ったものの、描かれた姿はあたかも不意に覗き見られたかのような自然な動作を捉えています。
木炭で形を取った後、パステルを用いて肌の柔らかさや布の質感を巧みに描き出し、女性が前かがみになって体を支える瞬間を生き生きと表現しています。
この作品は、ドガが関心を寄せた「女性の日常の身体の所作」を最も率直に伝える代表例のひとつであり、近代絵画における視線の問題や女性像の革新とも結びついています。