The Death of Actaeon
ティツィアーノ, 1559-1575年頃
ナショナル・ギャラリー Room 8

この作品は、ヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノによる「アクタイオンの死」です。神話の場面を描き、ディアナがアクタイオンに復讐して雄鹿に変え、その後自身の犬に追われて命を落とす瞬間を表現しています。
本作は、ティツィアーノがスペイン王フェリペ2世のために制作した 『ポエジー(詩画)』シリーズの一部として意図されましたが、彼は生涯この作品を手元に置き、何度も手を加え続けました。晩年のティツィアーノは破れた筆致(broken brushwork)を用いており、形態が溶けるような印象を与えています。また、長年の経年変化により顔料が変色し、当初よりも茶色っぽく見える状態になっています。
神話の悲劇とティツィアーノ晩年の表現技法を体感できる、表現主義的な傑作です。