Ferry Boat on the Sumida River
隅田川の渡し船
歌川広重, 1830年代頃
大英博物館 Room 92

作品の概要
この作品は、江戸北部の隅田川を渡る渡し船を描いた浮世絵です。遠景には筑波山が見え、乗客が山を見ることで幸運を得るという意味の詩が添えられています。
歌川広重(1797-1858)は1830年代初期から江戸の名所をテーマにした風景版画を多数制作しており、この作品もそのシリーズの一つです。都市周辺の自然や日常の風景を精緻に描くことで、後の代表作『名所江戸百景』(1856-1858)に至る技法や構図の基礎が築かれました。
渡し船の描写や遠景の山々の表現から、江戸時代の都市生活と自然景観との関係を感じ取ることができます。
ここがポイント
- 江戸北部の郊外、隅田川を渡る渡し船の景観を描いた浮世絵
- 遠景に筑波山を描き、乗客の幸運を詠んだ詩が添えられる
- 広重の初期風景版画シリーズの一例で、後の『名所江戸百景』につながる構図