View of Naruto in Awa Province
歌川広重, 1857年
大英博物館 Room 92

この作品は、阿波国(現在の徳島県)鳴門海峡の渦潮を描いた三枚続きの浮世絵です。潮が引く際に発生する渦潮を大きく取り上げ、青の濃淡によって自然の迫力を表現しています。
広重は『奇観図絵』(1800年刊)の挿絵を参考にしましたが、渦潮の存在感を一層際立たせ、パノラマ的な景観として描きました。発行元による三部作のひとつで、「雪・月・花」と呼ばれる中の「花」に相当します。ここでの「花」とは、自然が生み出す鳴門の渦潮のことを指します。
広重晩年の傑作のひとつであり、自然と人間の調和を感じさせる浮世絵として高く評価されています。