Nakamura Ganjirō I as Kamiya Jihei
吉川観方, 1925年
大英博物館 Room 92

この作品は、歌舞伎役者の初代中村鴈治郎(1860-1935)が、紙屋治兵衛役を演じる姿を描いたものです。作者は吉川観方(1894-1979)で、1925年に大阪の中座での公演を題材に制作されました。
鴈治郎は二枚目(にまいめ)、つまり柔和で優美な青年役を得意とし、白塗りの化粧と穏やかな表情が特徴です。本作では、彼が悲劇的な若い恋人を演じるシーンが描かれ、舞台上での存在感と魅力が伝わります。
舞台美術や衣装、役者の演技を視覚的に記録する役割も持つこの作品は、大正期の歌舞伎文化や舞台芸術を知る貴重な資料として価値があります。