Amusements While Waiting for the Moon on the Night of the 26th at Takanawa
歌川広重, 1820年代頃
大英博物館 Room 92

この作品は、江戸の高輪で旧暦8月26日の夜に行われた「二十六夜待ち」という行事を描いた浮世絵三枚続きです。この日は月の出が深夜になるため、人々は月を拝むまでの時間を酒食や娯楽で過ごしました。
画面には、右手に新鮮な西瓜、中央には魚介類、左手には揚げ団子を売る屋台が描かれ、当時の食文化がうかがえます。手前には音楽家や芸人が登場し、祭りの賑わいをさらに盛り上げています。こうした細部の描写から、江戸庶民の生活と娯楽が生き生きと伝わってきます。
広重は風景画だけでなく、このように庶民文化を題材とした多彩な場面も手掛け、当時の社会を記録する役割を果たしました。