Lid of the painted wooden coffin of Cleopatra
不明, ローマ時代、2世紀前半
大英博物館 Room 62

棺の蓋には、死者クレオパトラの来世の保護を象徴する豊かな装飾が施されています。外側はオシリスの前での心の重さの測定や冥界の門の守護神などの伝統的な葬制図像で飾られています。内部中央には女神ヌトが大きく描かれ、頭上には太陽神ホルスのファルコン、足元にはアピス牛が配置されています。棺の両側には昼夜を象徴する女神が描かれ、ヌトの周囲には黄道十二宮の星座が配置されることで、宇宙的秩序と再生のテーマが強調されています。
この蓋は、クレオパトラの棺全体の象徴体系の中心として、死後の世界での保護と再生の概念を視覚的に表現しています。
なお、クレオパトラとは古代エジプトで王族や上流階級の女性によくある名前であり、かの有名なクレオパトラ7世・プトレマイオス朝の女王とは別人です。