Letter on the road to decipherment
トマス・ヤング, 1818年
大英博物館 Room 1

この手紙は、ロゼッタ・ストーンが1799年に発見されて以来続いたヒエログリフ解読の努力の中で、イギリスの学者トマス・ヤングが1818年に書いた重要な文書です。
ヤングは当時、古代エジプトの象形文字の意味を解明する試みを進めており、この手紙では若き探検家ウィリアム・ジョン・バンクスの父に宛てて、息子に協力を依頼しています。
具体的には、王や神の名前を含む碑文を写し取るよう勧め、その場所や探し方についても助言を与えています。
手紙の末尾には、ヤング自身が解読を進めたヒエログリフとその意味が記されており、多くは正しく解釈されていました。
この手紙は、後にフランスのジャン=フランソワ・シャンポリオンが決定的な解読を成し遂げる前段階を示すものであり、解読史における 「試行錯誤の記録」 として大きな価値を持ちます。
ヤングの研究は完全な解読には至らなかったものの、その分析と観察はシャンポリオンの成果を支える重要な基盤となりました。
したがって、この手紙は単なる書簡ではなく、古代文字の謎を解き明かそうとする人類の知的探求の一端を伝える証言といえるでしょう。