Bob's your uncle
「Bob's your uncle」を直訳して真顔になった日本人の話をする
「ボブはあなたの叔父さんです」と言われて本気で家系図を疑った経験、ない?実はこれ「はい、完成!」「これで一丁上がり」って意味の超定番フレーズ。しかも由来を調べたら、イギリスの政治が身内びいきで動いていた黒歴史が透けて見えてちょっと笑える。

ロンドンのシェアハウスで、フラットメイトにWi-Fiルーターの再起動のやり方を教えてもらったことがある。「電源抜いて、10秒待って、また挿すの。Bob's your uncle」。真顔で相槌打ちながら頭の中は「え、誰?ボブって」でいっぱいだった。叔父の話は一切出てきていない。もちろん本当に叔父の話などしていない。これ、知らないと会話の途中で急に親戚トークが挟まったのかと本気で混乱する、日本人がほぼ全員通る道だと思う。
「叔父さん」は関係ない。ただの「はい完成」ボタン
意味と使い方
"Bob's your uncle"は「これで完了」「ほら、できた」という意味の決まり文句。手順の締めくくりに使う、日本語で言う「一丁上がり」「はい終わり」に近いノリ。
例文:
- "Just press this button, and Bob's your uncle."(このボタン押せば、はい完成)
- "Add a bit of milk, stir, and Bob's your uncle — perfect cup of tea."
ポイントはボブという特定の人物を指しているわけではないこと。会話の途中に突然「あなたの叔父はボブです」という謎の断定文が挟まるので、初見の日本人はだいたい「私の叔父はボブじゃないけど?」と真顔で固まる。しかも大抵は"and Bob's your uncle"と、文末にセットでポンと置かれるだけなので、聞き逃すとオチだけ食らって話の着地点を見失う。イギリス人的には「はい以上、簡単でしょ」くらいの軽さで使っている。
なんで叔父さんが出てくるのか、政治のコネ話でした
語源と背景
有力な説の一つが、19世紀のイギリス政界のコネ人事に由来するというもの。1887年、時の首相ロバート・ガスコイン=セシル(愛称Bob、第3代ソールズベリー侯爵)が、甥のアーサー・バルフォアをアイルランド担当大臣に抜擢した。ただの身内登用にしか見えない人事で、当時からかなり陰口を叩かれたらしい。
そこから「叔父がボブなら万事解決(=コネで何でも通る)」的なニュアンスで広まった、という説が通説として語られている。日本で言うなら、コネ入社した後輩が「叔父が役員なんで」で全部解決していくのを横目で見ている感じだと思うとわかりやすい。
ただしこれ、正直ちょっと怪しい。フレーズ自体が記録に出てくるのは1920年代、新聞に定着するのは第二次大戦後で、政治家二人が現役だった時期からかなり間が空いている。なので言語学者の間でも「本当にそうか?」と今も議論が続いている状態。もう一つの説では、17世紀からある"all is bob"(万事順調)という古いスラングが変化しただけ、ともされていて、こっちの方が地味だけど筋は通っている気がする。