日本人はどこに集まっているか
Where to Find the Japanese Community in London
mixb、日本人会、Facebook グループ、日系のスーパー、大学のサークル。場所の名前を並べるだけなら検索で足りますが、問題はどこに行けば自分と話の合う人がいるかです。滞在の形によって集まる場所が違うので、そこから整理します。
この記事の結論
「日本人コミュニティ」は一つのまとまりではない
駐在、留学、ワーキングホリデー、永住では生活の前提がまるで違い、行き先も交わりません。まず自分に近い層を見つけるのが先です。
渡英直後に最も実用的なのは mixb と Facebook グループ
住まい、家具の譲渡、仕事、生活情報が日本語で回っています。人と会う前に、まず情報源として使えます。
日系の店は、情報の掲示板でもある
スーパーや書店の掲示板には、住まいや教室、イベントの貼り紙が集まります。オンラインに出てこない情報があります。
無理に「入る」必要はない。情報源として使うだけでもいい
所属せず、必要なときに必要なぶんだけ使う関わり方が可能です。距離の取り方は自分で決められます。
要点
- 住まい・仕事・売買
- mixb(日本語の掲示板サイト)
- 日常の情報交換
- Facebook のロンドン在住日本人グループ
- 食材・日用品
- Japan Centre、ジャパンセンター系の店舗
- 学生
- 大学の日本人会・Japan Society
- 子育て
- 日本人学校・補習校、子育てサークル
- 関わり方
- 所属しなくてよい。情報源としてだけ使える
渡英して最初の数ヶ月は、誰とも話さない日ができることがあります。
このとき「現地人の友だちを作らなければ」と思い詰めて、日本語の場を避ける人がいます。せっかく知り合った人と、続かない理由でも書いたとおり、これは逆効果になることが多いです。孤独な状態で英語だけの環境に通い続けると、たいてい半年で息切れします。
日本語で息を継げる場所を持ちながら現地の場にも通うほうが、結果的に長く続きます。
この記事では、その「日本語で息を継げる場所」がどこにあるかを整理します。ただし、単なるリンク集にはしません。名前を並べるだけなら検索で足ります。
重要なのは、それぞれの場所に誰がいるかです。ロンドンの日本人は一つのまとまりではなく、滞在の形によって行き先も話題もまったく違います。ここを知らないと、行ってみたけれど話が合わなかった、ということになります。
目次
1. 「日本人コミュニティ」は一つではない
滞在の形で、生活の前提が違う
まず前提の整理です。ロンドンにいる日本人は、滞在の形によって生活条件がまったく異なります。
| 滞在の形 | 生活の前提 | 集まりやすい場所 |
|---|---|---|
| 企業からの派遣 | 滞在期間が決まっている。住居や学校が会社経由のことも | 日本人学校の周辺、企業のネットワーク |
| 留学 | 学業が中心。同年代が多い | 大学の日本人会、学生向けの集まり |
| ワーキングホリデー等 | 期間限定。仕事と住まいを自力で探す | mixb、SNS、飲食店の職場 |
| 現地就職・永住 | 生活基盤が英国側にある | 個別の趣味の集まり、地域のつながり |
| 家族の帯同 | 滞在期間や生活圏が家族の事情に左右される | 子どもの学校関係、地域の集まり |
この層はあまり交わりません。それぞれ生活の時間帯も、関心事も、滞在の見通しも違うからです。
なぜこれを先に書くか
「日本人コミュニティに行ってみたけれど話が合わなかった」という経験は、多くの場合、層が違う場所に行っただけです。コミュニティ全体が自分に合わないわけではありません。
たとえば、留学生の集まりに現地就職の30代が行くと話が噛み合いにくく、逆もまた同じです。自分の生活条件に近い人がいる場所を選ぶほうが、話が早い。
交わる場所もある
とはいえ、層をまたいで人が集まる場所もあります。日系のスーパー、大きなイベント、オンラインの情報掲示板がそれで、こうした場所は「所属」ではなく「利用」の対象なので、層の違いが問題になりません。
渡英直後は、まずこちらから使うのが気楽です。
実務メモ
- 話が合わなかったのは、コミュニティ全体ではなく層が違っただけのことが多い
- 渡英直後は「所属する場」より「利用する場」から入るほうが気楽
- 自分の滞在形態に近い人がいる場所を選ぶと、情報の精度も上がる
2. オンラインの情報源
渡英直後に最も実用的
mixb
英国在住の日本語話者向けの掲示板サイトです。渡英直後に最もよく使われます。
扱われている内容:
- 住まい:フラットシェアの募集、又貸し、短期滞在
- 売ります・買います:帰国する人が家具や家電を手放すので、渡英直後の調達に向いています
- 求人:日系企業、飲食店、日本語を使う仕事
- 教室・サービス:語学、習い事、美容室
住まい探しでの使い方はmixb・日系コミュニティ経由で探すに詳しくまとめています。
注意点として、個人間の取引が中心なので、契約や支払いの安全は自分で確認する必要があります。とくに住まいについては、正規の契約でない又貸しが含まれることがあります。
Facebook のグループ
ロンドン在住の日本人向けのグループがいくつかあり、日常的な質問と回答が活発です。
- 病院や役所の手続きの実務
- 「どこで◯◯が買えるか」といった生活の質問
- イベントの告知
- 不用品の譲渡
即時性が高いのが利点で、質問すればその日のうちに複数の回答がつくことが多いです。
一方、参加者が多いぶん情報の質にばらつきがあります。制度や手続きに関する回答は、必ず公式の情報で裏を取ってください。とくにビザ・医療・税金は、個人の経験談がそのまま自分に当てはまるとは限りません。
X(旧Twitter)・Instagram
在英日本人の発信は、こうしたSNSにも多くあります。イベント情報や店の新規開店などは、ここが最も早いことがあります。
グループへの参加が不要なので、誰とも関わらずに情報だけ得たい場合に向いています。
注意
制度の話は公式で裏を取る
コミュニティで得られる情報のうち、ビザ・医療・税金・雇用に関するものは、必ず公式の情報で確認してください。
制度は改定されますし、個人の状況によって適用が変わります。「知り合いはこうだった」がそのまま当てはまらないことは頻繁にあります。
このサイトでは英国ビザガイド、医療・NHS ガイド、働き方ガイドに、出典付きでまとめています。
3. 日系の店と、その掲示板
オンラインに出てこない情報がある
食材・日用品の店
ロンドンには日本食材を扱う店が複数あり、ソーホー周辺をはじめとする中心部と、日本人が多く住むエリア(フィンチリー方面など)の双方にあります。
Japan Centre はよく知られた存在で、食材から日用品、書籍まで扱っています。韓国系・中国系のスーパーでも日本の食材はかなり手に入るので、選択肢は思っているより広いです。
掲示板を見る
こうした店の掲示板には、オンラインに出てこない情報が貼られていることがあります。
- フラットシェアの募集
- 個人が開いている教室(語学、習い事)
- 小規模なイベントの告知
- 美容室、整体などのサービス
デジタル化が進んでも、この掲示板文化は残っています。買い物のついでに眺めておく価値があります。
日本語の書店
日本語の本を扱う店では、雑誌や書籍だけでなく、在英日本人向けのフリーペーパーが置かれていることがあります。イベント情報や広告が載っていて、コミュニティの現在の様子がつかめます。
飲食店
日本食の店は、働いている人にも客にも日本語話者が多い場所です。とくに個人経営の小さな店は、常連との距離が近いことがあります。
ここで無理に交流する必要はありませんが、日本語が耳に入る環境に身を置くだけで楽になる時期はあります。それだけの目的で行っても構いません。
実務メモ
- 店の掲示板にはオンラインに出ない募集や告知が貼られている
- フリーペーパーはコミュニティの現況を知る手がかりになる
- 交流が目的でなくてもいい。日本語が聞こえる場所に居るだけで休まる時期がある
4. 組織のある集まり
所属する形の場
日本人会
在英日本人の互助組織があり、会員向けの行事や情報提供を行っています。会費が必要で、参加している層は比較的滞在の長い人や家族連れが中心です。
渡英直後にすぐ入るべきものではありません。しばらく生活して、必要を感じたら検討する順番で十分です。
大学の日本人会・Japan Society
学生の場合、大学ごとに日本人会があることが多いです。同世代が集まるので、留学生にとっては最も入りやすい場になります。
Japan Society は日本文化に関心のある学生の団体で、こちらは日本人以外の学生が中心です。現地の学生と日本の話題を通じて知り合えるので、人と出会える場所の観点からも使えます。
子育て関連
子どもがいる場合、日本人学校や補習校が生活の中心になることがあります。ここは保護者同士のつながりができやすい一方、関係が濃くなりやすい面もあります。
子育てサークルや、児童向けの日本語の集まりは、より緩やかな関わりから始められます。
宗教施設
教会や寺院で、日本語で行われる集まりがあります。信仰の有無にかかわらず、生活相談の窓口として機能している場合もあります。
スポーツ・趣味の団体
サッカー、野球、テニス、ゴルフなど、在英日本人によるチームや同好会が活動しています。
これは友人作りの観点から見て条件が良く、イギリス人はどこで友だちを作っているのかで書いた「反復が起きる場所」の要件(曜日固定・同じ顔ぶれ・会話が必須でない)をそのまま満たしています。日本語で、かつ継続的な関係が作れる数少ない場です。
ヒント
スポーツの団体は、条件が良い
在英日本人のスポーツチームは、日本語が通じるうえに毎週同じ時間に同じ顔が揃うという、友人形成の条件を両方満たしています。
英語の負荷なしに「反復」を作れるので、渡英直後の入口としては非常に効率がいい。運動が得意である必要はなく、初心者を受け入れているチームも多くあります。
5. どう使うか
所属しなくていい
最後に、関わり方の話をします。
「入る」か「入らない」かではない
日本人コミュニティの話になると、所属するかしないかの二択で語られがちです。実際にはその間に幅があります。
| 関わり方 | 内容 |
|---|---|
| 情報源としてだけ使う | mixb や SNS を見る。人とは関わらない |
| 必要なときだけ利用する | 手続きで困ったときに質問する、物を譲ってもらう |
| 特定の活動にだけ参加する | スポーツチーム、趣味の集まり |
| 継続的に所属する | 日本人会、学校関係 |
上の3つは「所属」を伴いません。渡英直後は、まずここから使えば十分です。
渡英直後の実用的な順番
- mixb と Facebook グループで情報を得る(人と関わらなくていい)
- 日系の店に行き、掲示板を見る
- 必要を感じたら、趣味やスポーツの集まりに参加する
- さらに必要なら、組織のある集まりを検討する
1と2だけで、生活の立ち上げには十分足ります。
現地の場と並行する
繰り返しになりますが、どちらか一方を選ぶ必要はありません。
日本語の場だけにいると英語環境から遠のきますし、英語の場だけにいると消耗します。並行して持つのが、最も長続きする形です。
具体的な配分や、コミュニティ特有の窮屈さへの対処は日本人コミュニティとの距離の取り方で扱います。
実務メモ
- 所属せずに情報源としてだけ使う関わり方が可能。それで十分な時期がある
- 生活の立ち上げは mixb と Facebook グループ、日系の店の掲示板でほぼ足りる
- 日本語の場と現地の場は、どちらかを選ぶものではなく並行して持つもの
よくある質問
参考・公式情報
- GOV.UK - Ask for Angela(安全に助けを求める仕組み)
- Suzy Lamplugh Trust - National Stalking Helpline
- Meetup - London のグループ検索
- Japan Matsuri(公式)
- HYPER JAPAN Festival(公式)
- 在英国日本国大使館 - 日英イベントカレンダー
料金・時刻・制度は変更されます。本記事は2026年8月時点の情報です。渡航前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。
本記事で書いているのは、ロンドンでよく見られる傾向と、 その背景にある仕組みです。人付き合いの形は人それぞれで、 ここに書いたとおりに進まないことのほうが普通です。 当てはまらない相手に出会ったときは、記事ではなく目の前の相手を優先してください。 マッチングアプリの料金や機能、イベントの日程は変更されることがあります。