テート・モダンTate Modern
世界の現代アートが集うテムズ川沿いの巨大美術館
- 料金
- 無料
- 所要時間
- 1.5〜2時間
- 最寄駅
- Blackfriars駅
- 開館時間
- 10:00〜18:00 (金土は21:00まで)
料金・開館時間は変更されることがあります。訪問前に 公式サイト で最新情報をご確認ください。
テート・モダンは、ロンドン・バンクサイドの旧バンクサイド発電所を改装した、英国の国立・国際現代アート美術館です。テムズ川とミレニアム・ブリッジを望むロケーションに、ピカソやマティス、草間彌生など世界中のアーティストの作品が集結。入館は常設展示エリアが無料で、巨大なタービンホールのインスタレーションや地下のタンク空間など、建築そのものも見どころです。ファミリーや初めて現代アートに触れる旅行者でも楽しみやすく、ロンドン滞在で一度は訪れたい定番スポットです。
このページの内容
着いてからの歩き方
テート・モダンに着いたら、この順に見ていくと迷いません。
- コツ
常設展は無料
所蔵作品の展示は入場無料で、予約も要りません。有料なのは企画展だけ。ピカソ、マティス、ロスコ、ウォーホルを無料で見られるので、時間が半端に余った日に立ち寄る使い方ができます。
- 見どころ
タービン・ホール
発電所時代にタービンが並んでいた、全長155mの空間。ここには毎年ひとりのアーティストが巨大な新作を設置します。作品は数か月で入れ替わり、見られるのはその期間だけ。無料なので、何が置かれているか知らずに入って驚くのが正しい楽しみ方です。
- 見どころ
建物が元・発電所であること
1947年から建設されたバンクサイド発電所の転用です。設計は赤い電話ボックスやバタシー発電所と同じジャイルズ・ギルバート・スコット。中央の煙突は99mで、これは対岸のセント・ポール大聖堂のドーム(114m)より低く抑えるよう意図的に設計されたものです。発電所が大聖堂を見下ろしてはいけない、という判断でした。美術館への改装はヘルツォーク&ド・ムーロンが手がけ、2000年に開館しています。
- 見落としやすい
10階の展望フロア
ブラバトニック棟の最上階が無料の展望フロアになっています。セント・ポール大聖堂とシティを川越しに見渡せて、ロンドンの有料展望台と遜色ない眺め。カフェもあります。無料で上がれること自体があまり知られていないので、比較的空いています。
- 見落としやすい
建物の名前が変わった
旧「ボイラー・ハウス」棟は、2024年に「ナタリー・ベル棟」へ改称されました。ナタリー・ベルは、美術館の建設で低所得層の住宅が失われるのを防いだ地元の活動家です。館内表示は新名称ですが、古いガイドブックには旧名で載っています。
発電所だった建物
テート・モダンは美術館として建てられたものではありません。バンクサイド発電所——ロンドン中心部に電気を送っていた火力発電所です。
設計はジャイルズ・ギルバート・スコット。赤い電話ボックスの設計者であり、バタシー発電所も手がけた人物です。建設は2期に分かれ、1947年から1963年にかけて完成しました。
注目すべきは煙突の高さです。99m。これは技術上の制約ではなく、意図的に抑えられた数字でした。対岸に立つセント・ポール大聖堂のドームが114mであり、スコットは「セント・ポールと競うつもりはない」と述べています。複数あった煙道を1本にまとめ、彼の言葉を借りれば「細い塔、あるいは鐘楼のようなもの」にしました。
発電所が大聖堂に敬意を払って背を低くしたわけです。川を挟んで両者を同時に見ると、この配慮が形として分かります。
発電所は石油価格の高騰により1981年に稼働を停止し、取り壊しの話が出ます。保存運動の末に美術館への転用が決まり、1994年の国際コンペには148組が応募しました。選ばれたのはヘルツォーク&ド・ムーロン。2000年に開館しています。
タービンホールという、美術館にありえない空間
入ってすぐの巨大な吹き抜けは、発電機が並んでいた場所です。長さ155m、高さ35m。
ヘルツォーク&ド・ムーロンの判断で特筆すべきは、この空間に何も作らなかったことです。床を張って階層に分ければ展示面積は大幅に増えたはずですが、彼らは空洞のまま残しました。剥き出しの鉄骨も、煤けた煉瓦も、そのままにしています。
結果として美術館は、通常なら存在しえない規模の空っぽの空間を手に入れました。ここで毎年行われる大規模な委嘱作品(ユニリーバ・シリーズなど)は、この空間があるからこそ成立します。巨大な滑り台、人工の太陽、床に開いた亀裂、無数の陶製のひまわりの種——空間の大きさそのものを素材にした作品が生まれました。
つまりこの美術館の最大の特徴は、収蔵品ではなく建物が持っていた産業的な巨大さです。それを消さずに残したことが、他の美術館との決定的な違いになりました。
2016年には南側にブラヴァトニック・ビルが増築されています。ねじれたピラミッド状の建物で、最上階の展望台からはセント・ポール大聖堂とシティを無料で見渡せます。
豆知識
- 展示は時代順ではなくテーマ別。多くの近代美術館が制作年で並べるのに対し、ここは「身体」「社会」「素材」といった主題で構成します。ピカソの隣に現代の映像作品が並ぶことがあり、賛否が分かれる方式です。
- 常設展示は無料。企画展のみ有料です。世界有数の近現代美術コレクションが無料で見られます。
- ミレニアム・ブリッジは開通2日で閉鎖された。2000年、対岸のセント・ポールとを結ぶこの歩道橋は、開通直後に横揺れが問題になり閉鎖されます。歩行者の足並みが揃うことで揺れが増幅する現象で、改修に約2年かかりました。「ウォブリー・ブリッジ(ぐらぐら橋)」というあだ名が残っています。
- 展望台からの眺めが住民訴訟になった。ブラヴァトニック・ビルの展望台から隣接する高級マンションの室内が見えるとして、住民が提訴。2023年に最高裁が住民側の訴えを認め、該当方向に目隠しが設けられました。
広い。狙いを決めて入る
常設展は無料で、予約も不要です。ただし建物が非常に大きく、全部を見ようとすると消耗します。見たい階とテーマを決めて入るのが現実的です。
入口は2か所あります。タービンホールへ西側の斜路から入ると、あの空間を最も効果的に体験できます。川沿いの北入口から入ると、いきなり中層階に出るため印象が弱まります。
金曜と土曜は22時まで開いています。夕方以降は空き、川沿いの夜景も楽しめます。
ブラヴァトニック・ビル最上階の展望台は無料です。有料の展望施設に行かずにロンドンを見下ろしたい場合、ここは有力な選択肢になります。
ミレニアム・ブリッジを渡ればセント・ポール大聖堂、川沿いを東へ歩けばシェイクスピアズ・グローブとボロー・マーケット。サウスバンクを歩く行程の中心として使いやすい場所です。
場所とアクセス
美術館・博物館ガイド
テート・モダンをじっくり見る
注目作品、所要時間の目安、開館時間、館内の回り方は美術館ガイド側にまとめています。
みんなの口コミ
テート・モダンを訪れた感想や、これから行く人に役立つコツがあれば教えてください。
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