ナショナル・ギャラリーNational Gallery
世界的名画を無料で鑑賞できる美術館
- 料金
- 無料
- 所要時間
- 2〜3時間
- 最寄駅
- Charing Cross駅
- 開館時間
- 10:00〜18:00
料金・開館時間は変更されることがあります。訪問前に 公式サイト で最新情報をご確認ください。
1824年創立のナショナル・ギャラリーは、トラファルガー広場に位置するロンドンの象徴的美術館。ゴッホ、ティツィアーノ、レンブラント、ターナーなど有名画家の名作を収蔵しており、13世紀中頃から1900年までの幅広い時代の作品を無料で鑑賞できる。年間200万人以上の来館者が訪れる人気スポット。
このページの内容
着いてからの歩き方
ナショナル・ギャラリーに着いたら、この順に見ていくと迷いません。
- コツ
無料。だから狙いを決めて入る
常設展は入場無料で、予約なしで入れます。ただし2,300点以上が並ぶので、全部見ようとすると確実に消耗します。見たい画家を3〜4人決めて入り、疲れたら出て、また別の日に来る——地元の人はそういう使い方をしています。
- 見どころ
ゴッホ『ひまわり』
1888年、アルルでゴーギャンを迎える部屋を飾るために描かれた連作の1枚。黄色だけで陰影まで作ろうとした絵で、実物は絵の具が厚く盛り上がっているのが分かります。同じ構図の作品は世界に複数ありますが、ここのものは特に状態がよいことで知られます。
- 見どころ
ファン・エイク『アルノルフィーニ夫妻像』
1434年の油彩。奥の壁に掛かった凸面鏡に、部屋の全体と画家自身らしき人物が映り込んでいます。鏡の縁の直径3cmほどの円のなかにそれが描き込まれているので、近づいて見てください。油絵具の精度がどこまで行けるかを示した作品です。
- 見どころ
ターナー『戦艦テメレール号』
帆船時代の栄光を背負った軍艦が、蒸気タグボートに引かれて解体されに行く場面。ターナー自身が最も手放したがらなかった絵です。夕日の側に古い船、煙の側に新しい船を置いた構図で、時代が入れ替わる瞬間そのものが描かれています。
- コツ
金曜は21時まで開いている
土〜木は18:00に閉まりますが、金曜だけレイトオープンで21:00まで。夕方以降は団体客が引いて、人気の部屋でも絵の正面に立てます。仕事帰りの地元客がぽつぽつ座っている、静かな時間帯です。
- 見落としやすい
セインズベリー翼の初期ルネサンス
正面入口から入ると見落としやすい西側の別棟。13〜15世紀の板絵が集まっていて、金地に描かれた宗教画が並びます。人が少なく、椅子も空いているので、混雑した本館に疲れたときの避難先としても使えます。
歴史
ヨーロッパの主要な美術館の多くは、王侯貴族のコレクションを起点にしています。ルーヴルはフランス王室の収集品を革命後に公開したものですし、プラドもスペイン王室のコレクションが母体です。
ナショナル・ギャラリーは違います。1824年、政府が銀行家ジョン・ジュリアス・アンガースタインの遺産から38点の絵画を買い取ったのが始まりでした。王室は関与していません。宮殿でもありません。最初の展示場所は、ペルメル100番地にあった彼の自宅です。
規模から言えば貧弱な出発でした。しかし「国民の財産として絵を買い、誰でも見られるようにする」という原則は、この時点で決まっています。1831年に議会がトラファルガー広場への新館建設を決議したのも、街の中心で、労働者が仕事帰りに立ち寄れる場所を意図してのことでした。当時としては珍しい発想です。
現在の所蔵は2,300点あまり。13世紀半ばから1900年までのヨーロッパ絵画を、通しで辿れる構成になっています。膨大ではありませんが、時代の流れを歩いて追える密度に保たれているのがこの館の性格です。
そして開館以来、常設展はずっと無料のままです。
セインズベリー翼は、王族の一言で設計が変わった
本館の西隣にあるセインズベリー翼には、英国建築史でよく知られた顛末があります。
1980年代、増築の設計競技で選ばれたのはアーレンズ・バートン・コラレック(ABK)によるハイテク様式の案でした。ところが1984年5月、当時のチャールズ皇太子が英国王立建築家協会(RIBA)の式典で演説し、この案をこう評します——「愛すべき優雅な友人の顔にできた、巨大なおでき(monstrous carbuncle)のようだ」。さらに「消防署みたいだ」とも述べました。
この一言が決定打になりました。4か月後、環境相パトリック・ジェンキンが建築許可を却下します。設計競技はやり直しになり、最終的に採用されたのはアメリカのポストモダン建築家ロバート・ヴェンチューリとデニス・スコット・ブラウンの案でした。建設費はセインズベリー3兄弟(ジョン、サイモン、ティモシー)が出資し、1991年にエリザベス2世が開館させています。
「monstrous carbuncle」はその後、英国で気に入らない建築を批判する際の決まり文句になりました。王族の演説が実際に建物を1つ葬った事例として、いまも建築の教科書に載っています。
現在この翼には13〜15世紀の初期ルネサンス絵画が収まっています。金地に描かれた宗教画が並ぶ静かな一帯で、本館の混雑に疲れたときの避難先としても使えます。
豆知識
- 『ひまわり』は、客を迎える部屋の飾りとして描かれた。1888年、ゴッホはアルルの「黄色い家」でゴーギャンとの共同生活を始めようとしており、その部屋を飾るために連作を描きました。歓迎の準備だった絵です。同じ構図の作品は世界に複数あり、ここのものは状態がよいことで知られます。
- 『アルノルフィーニ夫妻像』の鏡は、直径3cmほどしかない。1434年のファン・エイク作。奥の壁の凸面鏡には部屋全体と、画家自身と思われる人物が映り込んでいます。その全部が、絵のなかの小さな円の内側に描き込まれています。近づいて見る価値があるのはこの部分です。
- 『戦艦テメレール号』は、ターナーが最も手放したがらなかった絵。トラファルガーの海戦で戦った帆船が、蒸気タグボートに引かれて解体されに行く場面。夕日の側に古い船、煙の側に新しい船を配して、時代が入れ替わる瞬間そのものを構図にしています。売却の申し出をすべて断り、遺言で国家に遺しました。
- 1939年、収蔵品はすべてウェールズの鉱山に疎開した。空襲を避けるための措置です。空になった館では代わりにピアニストのマイラ・ヘスによる昼のコンサートが開かれ、戦時下のロンドンで1,600回近く続きました。絵のない美術館が音楽で開き続けた期間があったわけです。
無料だからこそ、狙いを決めて入る
常設展は入場無料で、予約なしで入れます。ただし2,300点を全部見ようとすれば確実に消耗します。
見たい画家を3〜4人決めて入り、疲れたら出る。無料なので、別の日にまた来ればいいという使い方ができるのがこの館の強みです。地元の人はそうしています。
金曜だけ21時まで開いています(他の曜日は18時閉館)。夕方以降は団体客が引き、人気の絵の正面に立てるようになります。時間に融通が利くなら金曜の夜が最も快適です。
トラファルガー広場に面した正面階段は待ち合わせ場所として便利ですが、入口はここだけではありません。混雑時はセインズベリー翼側の入口のほうが空いていることがあります。
場所とアクセス
美術館・博物館ガイド
ナショナル・ギャラリーをじっくり見る
注目作品、所要時間の目安、開館時間、館内の回り方は美術館ガイド側にまとめています。
みんなの口コミ
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