物語の芯と見どころの紹介です。幕ごとのあらすじと結末は、 読みたい人だけが開ける形で下にまとめています。
舞台に置かれているのは、一軒の古い家です。役者が柱に手をかけると、家がゆっくりと開いていく。壁が動き、屋根が持ち上がり、中の部屋が現れる——観客の目の前で、建物そのものが変形していきます。
トトロは着ぐるみではありません。何人もの人形遣いが操る巨大な人形で、遣い手の姿は隠されていない。それでも、あの生き物がそこにいるようにしか見えない、という体験が、この舞台の中心にあります。
物語は映画のとおり、母の療養のために田舎へ越してきた姉妹の話です。何か大きな事件が起きるわけではなく、雨のバス停で待ち、木の実を植え、猫のかたちのバスに乗る。それだけの出来事が、久石譲の音楽を生演奏で浴びながら進んでいきます。子ども向けの作品として作られていますが、実際に泣いているのは連れてきた大人のほうです。
小学生の姉。母がいない家で妹と父を支えようとして、自分が不安がることを自分に許していない。
4歳。怖さを知らないまま森の奥へ入っていける年齢で、だからこそ最初にトトロを見つける。
森に棲む大きな生き物。助言も説明もせず、ただそこにいて、必要なときにだけ動く。
考古学者の父。娘たちが見たものを否定せず、「会えるといいね」と受け止める。
サツキに関心があるのに、それをぶっきらぼうな態度でしか出せない少年。
夜にだけ現れる巨大な猫のバス。舞台では登場そのものが大きな見せ場になっている。
ジブリ作品の舞台化を手がけたのは、シェイクスピア上演で知られるRSCです。久石譲自身がエグゼクティブ・プロデューサーとして関わり、人形の設計・演出はバジル・トゥイスト、製作にはジム・ヘンソン・クリーチャー・ショップが加わっています。2023年のオリヴィエ賞では6部門を受賞しました。
トトロもネコバスも、遣い手の姿を隠さずに操られます。黒衣で消すのではなく、人が動かしていると分かったうえで生き物として立ち上がる——この見立てが最後まで持続するのが、この舞台の技術的な核心です。まっくろくろすけの群れが動き出す場面から、その約束事が客席に共有されていきます。
久石譲のスコアは新たにオーケストレーションされ、生演奏で流れます。映画で聞き慣れた旋律が、目の前の楽器から出てくるという体験になります。オリヴィエ賞では音響デザインも受賞しており、森の音や雨音の作り込みまで含めて評価されました。
物語の骨格が日本で広く知られているうえ、見せ場の多くが視覚と音楽で運ばれます。台詞に頼る比重が低いため、英語に不安がある人や小さな子ども連れでも入りやすい一本です。ウエストエンドで日本語話者が最も安心して選べる作品と言っていいでしょう。
となりのトトロ を観る日を決めるための情報です。2026年8月時点。演出の改訂で上演時間が変わることがあるため、当日の予定は 公式サイトの案内も確認したうえで組んでください。
劇場が案内する推奨年齢です。入場制限とは限りません。
言葉よりも音楽・ダンス・視覚表現で見せる作品です。英語の聞き取りが体験を大きく左右しません。原作のジブリ映画が日本では誰もが知る作品で、筋を完全に知ったうえで観ることになります。パペットと音楽による表現が中心で、英語の聞き取りが体験を左右しません。
Ticketmaster の販売情報より。9月10日(木)時点。休演日や追加公演が変わることがあるため、購入前に公式サイトでご確認ください。
ほか 134 公演。
座席の選び方や最寄り駅はGillian Lynne Theatreの劇場ガイドにまとめています。