Tippoo's Tiger
作者不詳, 1780-1790年代
ヴィクトリア&アルバート博物館 Room 41

ティプーの虎は、インド・マイスールの支配者ティプー・スルターン(1782–1799)のために制作された木製の半自動人形です。
虎が背中に横たわるヨーロッパ兵士を襲う構図で、内部のオルガンを操作すると兵士の腕が上下し、死亡時のうめき声を模した音を発生させる仕組みです。虎や虎の縞模様は、ティプー・スルターンの権威や家族との関連を示す象徴で、王座や貨幣、武器、軍の装備にも繰り返し使用されました。
ティプー・スルターンはイギリス東インド会社軍の攻撃に抵抗しましたが、1799年のセリンガパトナム陥落で戦死し、住民の家は略奪されました。その際、ティプーの虎はロンドンに送られ、インド博物館に展示された後、ヴィクトリア&アルバート博物館に移されました。
虎のモチーフは、ティプーの父ハイダル・アリやイスラムにおける英雄像(ハイダル=ライオン、アッサドゥッラ「神の獅子」)とも関連しており、虎とライオンは象徴的に置き換えられることもありました。セリンガパトナム包囲戦後には、イギリス側の勝利を示す記念メダルにも虎とライオンの対比が用いられています。