物語の芯と見どころの紹介です。幕ごとのあらすじと結末は、 読みたい人だけが開ける形で下にまとめています。
マチルダは5歳で図書館の本を読み尽くしてしまう子どもです。両親はそれを気味悪がり、テレビを見ないことを叱り、彼女を「間違い」として扱います。
学校に上がると、そこはさらにひどい場所でした。校長のトランチブル先生は元ハンマー投げの選手で、気に入らない子どもを髪をつかんで放り投げます。大人が誰も助けてくれない世界に、小さな子どもが一人で立たされている——ロアルド・ダールの原作が持っていた容赦のなさが、そのまま舞台に乗っています。
そしてマチルダは、耐えることを選びません。反撃します。ずる賢く、周到に、大人の卑劣さを大人のやり方で返していく。
子ども向けと思って入ると、意外に暗く、意外に痛快です。歌詞を書いたのはコメディアンのティム・ミンチンで、韻の踏み方が異様に凝っている。大人が本気で作った子どもの復讐劇として観るのが、いちばん正しい観方だと思います。
本だけを味方に育った少女。理不尽に黙って耐えるという選択肢を、はじめから持っていない。
元ハンマー投げ選手の校長。子どもを憎んでおり、その憎しみを隠そうともしない。伝統的に男性が演じる役どころ。
マチルダの才能に最初に気づく教師。優しいが、自分自身は誰かに立ち向かうことができずにいる。
娘が本を読むことを恥だと考えている両親。悪意というより、徹底した無関心で娘を傷つける。
チョコレートケーキを盗み食いしたことで、全校生徒の前で見せしめにされる少年。
マチルダに最初に話しかけるクラスメイト。自分も一役買いたくて仕方がない。
美術のロブ・ハウエルは、舞台から客席側まで約5,000枚のスクラブル風のアルファベットタイルで埋め尽くしました。本の虫である主人公を、言葉の部品そのもので取り囲むという発想です。開演前の明るいうちに客席の壁を見渡しておくと、この作品の主題が装置に書き込まれているのが分かります。ハウエルはこの仕事でオリヴィエ賞の美術賞を受けました。
脚本デニス・ケリー、音楽と歌詞をコメディアンのティム・ミンチンが手がけ、RSCが2010年にストラトフォード・アポン・エイヴォンで初演しました。ウエストエンドのケンブリッジ劇場に移ったのは2011年10月です。児童書の舞台化でありながら、作り手は一貫して大人向けの演劇の水準で臨んでいます。
トランチブル先生は初演以来、男性俳優が演じる役として定着しています。誇張された体躯と本気の暴力性が同居することで、笑いながらも本当に怖い、という独特の存在感が生まれます。この配役自体が作品の様式の一部です。
ティム・ミンチンの歌詞は言葉遊びと早口が売りで、英語話者の子どもでも全部は取れません。物語自体は視覚的に進むので置いていかれはしませんが、笑いの多くは言葉に依存します。原作かディズニー以外の映画版で筋を入れておくと、歌のほうに集中できます。
マチルダ・ザ・ミュージカル を観る日を決めるための情報です。2026年8月時点。演出の改訂で上演時間が変わることがあるため、当日の予定は 公式サイトの案内も確認したうえで組んでください。
劇場が案内する推奨年齢です。入場制限とは限りません。
歌と台詞が交互に来る一般的な構成です。要点は歌で繰り返されることが多く、台詞を取りこぼしても筋を見失いにくくなっています。子ども向けに作られており、発音は明瞭です。一方で歌詞に韻を踏んだ言葉遊びが多く、その面白さは聞き取れないと伝わりません。筋自体は原作小説が日本でも知られています。
Ticketmaster の販売情報より。8月15日(土)時点。休演日や追加公演が変わることがあるため、購入前に公式サイトでご確認ください。
ほか 396 公演。
座席の選び方や最寄り駅はCambridge Theatreの劇場ガイドにまとめています。