Nereid Monument
作者不詳, 紀元前390〜380年頃
大英博物館 Room 17
ネレイド記念碑は、紀元前4世紀初頭にリュキアのザントスで建造された彫刻付きの王墓で、アケメネス朝ペルシャ帝国の支配下で西リュキアを治めた王 アーバイナス のためのものです。
ギリシャのイオニア式神殿を模した建築で、基壇には戦闘や征服、饗宴の場面を描いた豊かなフリーズが施されています。東西南北の柱間には風にたなびく衣服をまとったネレイド像(海の精霊)が配置され、建物全体の神聖さと王の権威を強調しています。
フリーズには、アーバイナスがペルシャ式の衣装で描かれたり、戦闘シーンや都市包囲の場面、囚人の連行など、さまざまな物語的要素が盛り込まれています。
この墓は後にビザンティン時代まで存続し、その後崩壊しましたが、19世紀初頭にチャールズ・フェローズによって発見され、現在は大部分が大英博物館で再構築されています。
ギリシャ風の装飾とリュキア的伝統が融合した、古代東地中海地域の権威と宗教観を伝える 重要な文化財 です。