Visa Guide

    英国YMSビザ(ワーホリ)完全ガイド

    英国のワーキングホリデービザ(YMS)の要件、申請方法、費用、期間、制限を完全網羅した実用ガイド。

    Section A: 英国YMSビザとは?

    YMSビザは、特定の国籍を持つ18〜30歳(国により35歳)の若者に対して、英国で一定期間生活・就労する機会を提供する文化交流制度である。

    対象国:オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、韓国、香港(SAR)、日本、アイスランド、モナコ、アンドラ、ウルグアイ、台湾、サンマリノ、または一部の英国海外国籍。

    ※インド国籍は対象外で、別制度 India Young Professionals Scheme を利用

    ■ できること ・多くの職種で有給/無給の就労が可能 ・私費による学習が可能(場合によりATAS必要) ・英国国内を自由に移動・出入国自由 ・自営業も一定条件下で可能(設備£5,000以内、従業員なし、事業所所有不可)

    ■ できないこと ・プロスポーツ選手やスポーツコーチとしての活動 ・扶養家族の帯同(同伴不可) ・公的資金(ベネフィット)へのアクセス

    需要が高い国では抽選(Ballot)制度が導入されている。 → 台湾・香港(SAR)が対象

    YMSビザは、特定の国籍を持つ18〜30歳(国により35歳)の若者に対して、英国で一定期間生活・就労する機会を提供する文化交流制度である。ビザは、英国での働き方や生活を体験したい若者にとって、柔軟で魅力的な選択肢だが、制度の厳格運用にも注意が必要となる。

    Section B: YMSビザ申請要件

    YMSビザの要件は、英国移民法 Appendix Youth Mobility Scheme に明記されており、以下すべてを満たす必要がある。

    1. 国籍要件

    申請者は以下のいずれかでなければならない:

    ・豪州 / カナダ / ニュージーランド / 日本 / 韓国 / アイスランド / モナコ / アンドラ / サンマリノ / 台湾 / ウルグアイ ・香港 SAR パスポート保有者 ・British Overseas Citizen(BOC) ・British Overseas Territories Citizen(BOTC) ・British National (Overseas)(BNO)

    ※香港(SAR)および台湾は抽選(Ballot)必須 ※インド国籍は対象外 → India Young Professionals Scheme を利用

    2. 年齢要件

    • 申請時点で 18〜30歳(ビザ開始日までに18歳である必要あり)
    • 豪・加・NZ対象者は18〜35歳まで申請可能
    • 31歳の誕生日後であっても、ビザ開始時に条件を満たしていれば滞在継続可能

    3. 資金要件

    英国に到着後すぐ生活できることを証明するため、以下を満たす必要がある:

    ■ 必須条件 ・最低 £2,530 以上を 28 日間連続保持申請日から 31 日以内に確認できる明細で証明 ・名義は必ず本人名義(家族名義は不可)

    ■ 日本人向けの推奨証明方法

    1. 通帳コピー(表紙・氏名・取引履歴・最新残高)…一番確実
    2. 英文残高証明書(銀行発行)…併用推奨 ※英語での発行依頼はほぼ全銀行で対応可能

    ■ 金額余裕の推奨値 為替変動のリスクを考慮し、約60万円以上を維持するのが安全 (一瞬でも基準を下回ると即不可

    ■ 28 日のカウント方法 例:1/01 に基準達成 → 1/28 まで全日基準達成で OK Day1〜Day28 すべての時点で基準以上が必要

    ■ 有効な口座 / 無効な口座

    口座種類判定注意点
    普通預金口座推奨、最も審査がスムーズ
    定期預金追加説明を求められる場合あり
    証券/投資口座×換金性あっても原則不可
    家族名義口座×名義不一致で拒否

    ■ ダメになる典型例 ・28日間の途中で £2,529 に下落 ・給与入出金が多く一時的に不足 ・支店印なし・発行記載不備 → 小さなミスでも即拒否される

    ■ 最強の準備テンプレ 1️⃣ 新規で普通預金口座を作る 2️⃣ 50万円以上まとめて入金 3️⃣ 28日間一切下ろさない 4️⃣ 英文残高証明+通帳コピーを提出

    ■ 英国側の意図 →「英国で生活困窮しないこと」を証明するため

    審査は極めて厳格。資金要件は最も拒否が多いポイントなので慎重に準備する必要がある。

    4. 追加要件

    以下のいずれかに該当する場合は申請不可: ・18歳未満の子供が同居している、または経済的扶養を担っている ・過去にYMSビザで英国滞在したことがある(豪・加・NZ延長例外) ・重大な犯罪歴または移民法違反歴が存在

    加えて、英国政府は国別枠数(年間クォータ)を設けており、定員超過時は資格があっても不可

    拒否リスク

    申請却下の多くは提出書類のミスが原因。

    ・銀行残高証明の要件不達成(28日未満 / 名義不一致) ・入出金の記録形式不備 ・日付、署名、金融機関情報の欠落

    些細な誤りでも即拒否されるため、書類準備は極めて慎重に。

    Section C: YMSビザ申請方法

    YMSビザは 英国外からオンライン申請する必要がある。 申請フォーム名:Temporary Work or Youth Mobility Scheme

    申請手順(標準): 1️⃣ オンライン申請フォーム提出 2️⃣ 申請料の支払い 3️⃣ バイオメトリクス登録(指紋・顔写真)  ※対応国なら UK Immigration: ID Check アプリで代替可 4️⃣ 審査結果受領

    承認後、90日以内に英国へ入国する必要がある。

    バイオメトリクス / eVisa

    英国は現在、**デジタル在留資格(eVisa)**へ完全移行中。 そのため従来の Biometric Residence Permit(BRP)は原則発行されない。

    身元確認は次のいずれか: ・ビザ申請センターで指紋・写真登録 ・ID Check アプリでパスポート電子確認

    → 結果は オンラインの移民アカウントで確認し、雇用主も同システムで Right to Work を確認する。

    申請可能時期と審査期間

    • 英国渡航 6ヶ月前から申請可能
    • 標準審査期間:約3週間 (場所により早期審査オプションあり)

    早期審査サービス例: ・Priority:5営業日 ・Super Priority:24時間 ※利用可能国は限定

    抽選制(台湾・香港のみ)

    以下の国籍は抽選(Ballot)で当選しなければ申請不可: ・台湾 ・香港(SAR パスポート)

    年2回実施(例:1月・7月) 受付期間:約48時間のみ 抽選は完全ランダム。落ちた場合は次回応募のみ。

    Ballot 当選者には 期限付きの申請案内メールが届く。 → 期限内に申請しなければ失効。

    提出書類

    提出必須書類: ・パスポート:滞在期間中有効 ・資金証明(28日間連続):通帳コピー+英文残高証明推奨 ・バイオメトリクス/eVisa登録情報

    追加提出の可能性: ・ATAS(特定技術分野の学習時) ・一部国はスポンサー証明(例:サンマリノ)

    ※ 書類不備は即拒否につながるため慎重に準備すること。

    費用

    項目2年滞在(一般)3年滞在(豪/加/NZ)
    申請料£319£319
    IHS(医療費付加金)£1,552 (£776×2年)£2,328 (£776×3年)
    Biometrics(必要時)£19.20£19.20
    合計£1,890.20£2,666.20

    ※ IHS を支払うことで NHS 医療が利用可能になる(厚生費含む)

    申請タイムライン(ざっくり目安)

    ステップ内容目安期間
    事前準備資金証明・書類準備1〜2週間
    オンライン申請申請書提出1日
    Biometrics/ID確認センター訪問 or アプリ1〜2週間
    審査期間UKVI判断約3週間
    渡航承認後90日以内

    ※ Ballot 対象国は抽選通過前に一切申請不可

    Section D: ビザの条件と制限(重要)

    YMSビザは自由度が高い一方で、明確な制限がある。違反すると即ビザ取消や将来の英国ビザ取得に不利となる。

    ■ 許可される活動 ・ほぼ全ての業種での労働(有給/無給) ・条件付きで自営業可  - 設備投資:£5,000以下 - 従業員:雇用不可 - 事業所:住居以外の所有不可 ・ボランティア活動 ・私費学習(必要に応じ ATAS 取得) ・自由な出入国

    ■ 禁止事項 ・プロスポーツ選手・スポーツコーチとしての就労 ・研修医・歯科医としての勤務(英国資格登録あれば例外) ・扶養家族の帯同(同伴不可) ・公的支援(ベネフィット)の受給 ・原則として他ビザへの切替不可  → スキルドワーカー等、一部ルートのみ可

    ■ 特記事項 ・医療職、教育職等は別途資格登録が必要な場合あり ・雇用主/大家に対して eVisa による権利確認が義務付け済み

    遵守すべき条件を無視すると英国の移民記録に傷が残り、将来の入国審査で不利となる。

    滞在期間の詳細

    • 滞在可能期間:最大2年(豪州/カナダ/NZは最大3年)
    • 31歳になっても、残存期間があれば滞在可能
    • 生涯1回のみ申請可能(豪州/カナダ/NZの延長は例外)
    • 永住資格(Indefinite Leave to Remain)には一切カウントされない

    延長ルール

    YMSビザ自体は延長不可。 ただし、次の国は 追加12ヶ月(=トータル3年)を英国国内から申請可能: ・オーストラリア ・カナダ ・ニュージーランド

    その他国籍は、滞在延長したい場合: ・原則 ビザ満了前に出国 ・別ルートで再入国が必要 → 例:Skilled Worker など

    追加の実務上の注意点

    • YMS期間は永住権に一切算入されない
    • 引越しや滞在先変更時は 住所登録を必ず更新
    • 英国での納税義務(所得税・国民保険)が発生する場合あり
    • 就労制限違反やビザ超過滞在は 重大ペナルティ

    Section E: まとめ

    ◆ YMSの強み ・スポンサー不要 ・職探し不要 ・就労・生活・学習が自由 ・グローバルキャリアの起点になる

    ◆ 注意すべき点 ・永住へ直接繋がらない ・資金要件など審査は厳格 ・違反時のダメージが大きい

    計画的に使えば、キャリアと人生を大きく広げる強力な制度

    Section F: よくある質問(FAQ)

    Q. Job offer は必要? A. 不要です。入国後に職探し可。

    Q. 申請後に31歳になったら? A. 条件満たしていれば、残存期間は滞在可

    Q. 家族を連れていける? A. 不可。全員別ビザ必要。

    Q. 違法就労したら? A. 即時ビザ取消+記録残留

    Q. 英語レベルは? A. 要件なし(ただし生活上は必須)。

    Section G: 用語集

    YMS:Youth Mobility Scheme(ユースモビリティ制度) ・IHS:Immigration Health Surcharge(医療付加金) ・ATAS:Academic Technology Approval Scheme(技術分野審査制度) ・eVisa:デジタル在留資格 ・Right to Work:就労権利確認制度

    Section H: 追加リソース