2025年ロンドン最高のノンアート展──V&A『マリー・アントワネット・スタイル』
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    2025年ロンドン最高のノンアート展──V&A『マリー・アントワネット・スタイル』

    2025年12月18日

    V&Aで開催された『マリー・アントワネット・スタイル』は、2025年にロンドンで開催されたノンアート展の中で最も印象的な展示として評価された。250点以上の貴重な展示物を通じ、ファッションと歴史の両面から王妃の人物像と現代への影響を描き出す。

    2025年ロンドン最高のノンアート展──V&A『マリー・アントワネット・スタイル』

    2025年、私はロンドンで開催された数多くのノンアート展をレビューしてきた。 テーマは水泳、地図、土壌など多岐にわたり、 ヴィンテージのスピード社製水着を眺め、 極秘政府文書を精査し、 ウェス・アンダーソンのストップモーション人形に見入り、 V&Aイースト・ストアハウスの迷路のような通路をさまよい、 バービカンでは刺激の強い展示に眉をひそめたこともある。

    しかし、その中でも突出して心に残ったのが、 V&A(ヴィクトリア&アルバート博物館)で開催された **『Marie Antoinette Style(マリー・アントワネット・スタイル)』**だった。 本展は、2025年の私にとって最高の展示である。

    展示では約250点の作品が紹介され、 その中には、これまで一度もフランス国外で展示されたことのない ヴェルサイユ宮殿からの貴重な貸出品も含まれている。 内容は、先進的だった王妃のワードローブ、 目もくらむほど華麗なジュエリー、 豪奢な室内装飾、巨大なヘアスタイル、 そして現代のファッションやアートにまで及ぶ影響までを網羅している。

    この展覧会は単なる歴史展示ではない。 14歳でフランス王妃となった一人の若い女性を描いた、 感情に訴えかけるポートレートでもある。 想像を絶する富と洗練された美意識を持ちながら、 メディアによって評判を破壊された **“プロト・セレブリティ”**としての姿は、 現代のタブロイド文化との驚くほどの共通点を浮かび上がらせる。

    さらに展示は、彼女がポップカルチャーとファッションに与えた 永続的な影響にも踏み込む。 ソフィア・コッポラ監督による映画 **『マリー・アントワネット』**の衣装をはじめ、 シャネル、ディオール、モスキーノなどが手がけた華やかな作品が並ぶ。 とりわけ、同映画のために制作された マノロ・ブラニクのキャンディカラーのシューズコレクションは、 今も脳裏から離れない。

    本展は、ファッション愛好家にも歴史ファンにも等しくおすすめできる内容となっている。 2025年に見逃してしまった人も心配はいらない。 『マリー・アントワネット・スタイル』は 2026年3月22日まで開催されている。