コヴェント・ガーデンの名物バー「クラスタリング・パイプ」、45年の歴史に幕
2026年1月2日
コヴェント・ガーデンのマーケットホールで長年親しまれてきた人気バー「The Crusting Pipe」が、2025年12月21日をもって恒久閉店。1980年の再開発当初から営業を続けてきた名店が姿を消した。
コヴェント・ガーデンの象徴的存在が閉店
コヴェント・ガーデンのマーケットホールを訪れたことがある人なら、一度は目にしたことがあるであろうThe Crusting Pipe(クラスタリング・パイプ)。
複合施設の地下フロアに位置し、上階からワインを楽しむ人々の姿を見下ろせるこのバーは、長年にわたり市場内でも特に“顔”と呼べる存在だった。
しかし、その光景も今や過去のものとなった。
45年続いた人気バー、2025年末で閉店
The Crusting Pipeは、1980年にコヴェント・ガーデンが青果市場からエンタメ・飲食の拠点へ再開発された際の最初期テナントの一つ。
以来45年間にわたり、観光客からロンドナーまで幅広い客層に親しまれてきた。
だが、バーは2025年12月21日をもって正式に閉店。
人気・知名度ともに高い老舗だっただけに、惜しむ声も多い。
閉店理由は「環境と消費者行動の変化」
運営元であるDavy’sは公式サイトで、閉店理由について次のように説明している。
「取引環境や顧客の行動が変化する中で、この章は幕を閉じることになりました。
これまでThe Crusting Pipeの個性と成功を支えてくれた、数多くのスタッフとお客様に心から感謝しています。」
近年のロンドンでは、物価高や外食習慣の変化、観光動線の変化などが重なり、老舗であっても閉店を余儀なくされるケースが相次いでいる。
2025年は“別れの年”だったロンドンの酒場文化
The Crusting Pipeだけでなく、2025年には複数の名店がロンドンから姿を消した。
- ハックニーの老舗パブ The Gun
- ソーホーを象徴するアイコニックなバー G-A-Y
- 歴史あるパブ Ye Olde Swiss Cottage
さらに、長年愛されてきたレストランの閉店も相次ぎ、ロンドンの飲食シーンにとって大きな転換点となる一年だったと言える。
記憶に残る一杯として
マーケットホールの喧騒、上階から差し込む光、立ち飲みで交わされる会話。
The Crusting Pipeは、単なるバーではなく、コヴェント・ガーデンという場所の記憶そのものだった。
その扉は閉じたが、45年分の思い出は、ロンドンの街と人々の中に残り続けるだろう。