2026年に変わる英国ルール総ざらい:ゴミ箱4分別、ジャンクCM規制、賃貸の「追い出し」終了へ
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    2026年に変わる英国ルール総ざらい:ゴミ箱4分別、ジャンクCM規制、賃貸の「追い出し」終了へ

    2025年12月26日

    2026年に向けて英国で施行・開始が見込まれる制度変更を整理。EU渡航の新手続き、分別回収の全国化、HFSS(高脂肪・高糖・高塩)広告規制、雇用法制の段階施行、在宅控除終了、DWPの不正対策強化、最低賃金引き上げ、賃貸制度の大改正など。

    2026年に向けて始まる(または始まり得る)英国の新ルールまとめ

    新年以降、英国では生活に直結する制度変更が複数予定されています。旅行(入国手続き)からゴミ出し、広告規制、労働、賃貸、給付不正対策まで、影響範囲が広めです。


    渡航・入国:EU側の新手続きと、英国側のETA

    EUの「EES(入出国管理システム)」が段階導入

    • 対象:EU非加盟国の渡航者(英国人を含む)
    • 内容:シェンゲン圏入国時に
      • パスポートのスキャン
      • 指紋採取
      • 顔写真の撮影
        を求められる仕組み
    • 適用される主な国:シェンゲン圏(例:アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス等)
    • 対象外の例:アイルランド、キプロスへの渡航では不要
    • 導入の進み方2025年10月から6か月の段階導入で、港・空港などにより運用開始時期が異なり、2026年4月まで続く見込み
    • 渡航前の事前手続き:原則不要
    • 費用:無料

    EUの「ETIAS(渡航認証)」が2026年後半に予定

    • 開始予定2026年第4四半期(年末頃)
    • 費用20ユーロ(約£17)
    • 対象70歳未満の成人
    • 有効期間:最大3年間
    • ポイント:EESと異なり、渡航前にオンライン申請が必要

    英国入国:ETAが全面適用へ(ビザ不要国の訪問者向け)

    • 施行の節目2026年2月25日から
    • 対象:ビザ不要で渡英する訪問者(例:米国、カナダ、フランスを含む85の国籍
    • 要件:ETAまたはeVisaなどのデジタル許可が必要。航空会社などが搭乗前に確認
    • 費用£16
    • 所要時間の目安:多くは数分で自動判定されるが、追加確認に備え最大3営業日の余裕推奨
    • 免除:英国・アイルランド市民(二重国籍を含む)はETA不要
    • 政府説明:移民システムのデジタル化を進め、将来的な「非接触型」国境の基盤にする趣旨
    • 実績:2023年10月の開始以降、1,330万人超が申請に成功したとされる

    ゴミ出し:家庭ごみが「4分類」へ(イングランド)

    「Simpler Recycling(より分かりやすいリサイクル)」が開始

    • 開始日2026年3月31日から
    • 対象:イングランドの地方自治体(自治体により既に対応済みの地域もあり)
    • 変更点:家庭ごみを4種類に分けて回収(結果として「ゴミ箱が増える」可能性)
      1. 食品・庭ごみ
      2. 紙・段ボール
      3. その他の乾燥リサイクル(ガラス、プラスチック等)
      4. 埋立(非リサイクル)ごみ
    • 集合住宅:フラット(集合住宅)も含め、全世帯から回収

    背景として、地域ごとに異なる回収ルールが「分かりにくい」問題を解消し、リサイクル率を上げる狙い。

    2027年3月から:プラフィルム等も回収対象に

    • 開始予定2027年3月
    • 追加対象:プラスチックのフィルム包装・ビニール袋等を、プラスチック回収と合わせて回収

    食・健康:ジャンクCM規制と「エナジードリンク販売規制」構想

    HFSS(高脂肪・高糖・高塩)食品広告の規制が施行へ

    • 開始2026年1月から
    • テレビ午前5:30〜午後9:00の間、HFSS食品・飲料の広告を制限
    • オンライン終日制限
    • 屋外広告:看板・バス・駅・商業施設・タクシー等の屋外は対象外
    • 対象カテゴリ例(13分類):清涼飲料、チョコ・菓子、ピザ、アイス、朝食シリアル・ポリッジ、甘いパン、主食・サンドイッチ等
    • 補足:カテゴリ該当後、栄養スコア(飽和脂肪・塩・糖など)で「より不健康」と判定された商品が対象
      ※同カテゴリでも「より健康な代替商品」は広告可能で、業界のレシピ改善を促す狙い

    16歳未満への高カフェイン飲料販売禁止の検討

    • 提案内容:カフェイン 150mg/L超の高カフェイン・エナジードリンクを、16歳未満に販売禁止(オンライン、店舗、飲食店、カフェ、自販機含む)
    • 根拠:子どもの身体・メンタル、睡眠、学業への悪影響と関連するとの指摘
    • 数字:毎日少なくとも1本飲む子どもが約10万人いるとされる
    • 想定効果(政府説明):最大4万人の肥満予防、数千万ポンド規模の健康便益
    • 状況2025年11月26日まで公募(コンサル)実施
      まだ法律化されていないが、進めば2026年施行の可能性

    司法・治安:刑務所改革(法案進行中)

    • 狙い:収容力危機への対応
    • 方向性
      • 短期拘禁の使用を抑え、地域内の処罰(コミュニティ刑)を拡充
      • 行動に応じて早期釈放・延長を調整する「earned release(行動による進行)」の仕組み案(テキサスを参考とされる)
      • 良好な行動で刑期の最低3分の1で釈放の可能性
      • 暴力や違反(例:違法携帯品)で最大3か月の追加収監の可能性
    • 対象:通常の確定刑(standard determinate)
      危険犯、延長確定刑、終身刑などは現状同様の枠組み
    • 釈放後:「intensive supervision(集中的監督)」期間を新設し、電子タグ等を増やす想定
    • 状況:Sentencing Billが議会で審議中。まだ成立前だが、来年(2026年)施行見込みとされる

    仕事:Employment Rights Actの段階施行(2026年4月・10月)

    主要法案が2025年末に成立(Royal Assent)し、政府は1,500万人超が新たな保護の恩恵を受けるとしている。施行は2年がかりで段階的。

    2026年4月から(予定)

    • 法定病欠手当(SSP)の強化
      • 低所得の足切り(lower earnings limit)を撤廃
      • 待機期間を撤廃し、就労初日から病欠手当の権利
    • 子育て関連
      • 就労初日から父親手当(paternity pay)と無給の育児休暇(unpaid parental leave)の権利
    • 冗長(リストラ)関連:春に強化策が入る見込み

    2026年10月から(予定)

    • Fire and rehire / fire and replace(解雇→再雇用で条件変更を迫る慣行)の禁止方向
      • 重要な契約条件変更に同意しないことを理由にした解雇を、原則「自動的に不当」と扱う(例外あり)
    • チップ(tipping)規制の強化
    • 職場のセクハラ防止の強化
    • 労組関連:加入権の周知、労組代表の保護など

    さらに先(2027年以降の見込み)

    • 妊娠中の労働者の新たな権利
    • 妊娠喪失を含む忌引(無給)などの新制度
    • フレックス制度の変更
    • ゼロ時間契約の終了 など

    税:在宅勤務者の税控除が終了

    • 終了日2026年4月6日
    • 現行:在宅勤務による追加コスト(光熱費増、業務電話など)について、
      • 実費+証憑、または
      • 週£6の定額(レシート不要)
        で所得税の控除が可能(ただし雇用主が補填している場合は不可)
    • 影響:政府見込みで約30万人
      税負担増の目安は、基本税率で約£62、高税率で約£124

    給付不正対策:DWPが「口座から直接回収」できる権限へ

    • 新権限:返済能力があるのに返さない給付不正者等から、銀行口座から直接回収できる仕組み
    • 追加:福祉債務が**£1,000超で督促を無視した場合、裁判所へ申請して運転免許停止**を求められる可能性
    • データ連携:銀行からデータを受け取り、過払い回収や不正・誤りの抑止に活用
    • 政府の説明:個人情報を共有しない/給付資格確認のために口座の支出内容まで見ることはない、と整理
    • 導入時期2026年から実施
    • 財政効果見込み2029/30までに£15億の節約見込み

    最低賃金:2026年4月に引き上げ

    • National Living Wage(21歳以上)£12.71/時+4.1%, +50p)
    • 18〜20歳£10.85/時(+85p)
    • 16〜17歳£8.00/時(+45p)
    • 見習い(Apprentice)£8.00/時(+45p)
    • 政府は、低賃金労働者の「実質的な賃上げ」と説明し、18〜20歳の水準をLiving Wageへ近づける方針も示している

    賃貸(イングランド):2026年5月に大改正

    • 施行日2026年5月1日
    • 対象:民間賃貸(Private rented sector)
    • 政府説明1,100万人の借り手に「より強い権利・保護・住まいの安定」を与える

    変更点

    • Section 21(理由なし立ち退き:no-fault eviction)を禁止
      • ただし、売却、入居、家賃滞納、反社会的行為など「明確な理由」がある場合は、貸主が物件を取り戻す道は残る
    • 定期契約を廃止し、月次・週次のローリング契約へ(固定の終了日なし)
    • 家賃の値上げは年1回まで
      借り手は市場実勢を超える不当な値上げに異議申立て可能
    • 入札合戦(bidding wars)を禁止
      広告で示した家賃から上乗せ要求を不可に
    • 前払い要求の上限家賃1か月分まで
    • ペット:合理的理由なく拒否できない方向
    • 子ども・給付受給を理由とする入居拒否を違法化
    • 施行前に政府が借り手向けガイダンスを出す予定
    • 年内に追加変更も見込まれる

    2026年後半以降:大家データベースとオンブズマン

    • 全国レジスター(大家・賃貸物件の登録)を整備し、借り手が貸主情報を確認できるように
      2026年後半から地域ごとに段階導入
    • 民間賃貸オンブズマン:裁判に行かず迅速に苦情処理できる仕組みを導入予定

    住宅安全:Awaab’s Lawの拡大検討

    • 経緯:2歳のAwaab Ishakが、社会住宅のカビ等による長期曝露で呼吸器疾患を発症し死亡した件を受けた法
    • 現状:社会住宅向けに2025年10月から施行
    • 内容(社会住宅)
      • 緊急の健康安全ハザード:報告から24時間以内に修繕
      • 重大な湿気・カビ:報告から10営業日以内に調査
      • その後、さらに5日以内に安全確保
    • 今後:2026年に民間賃貸へ拡大する方向で、今後数か月で協議(コンサル)予定

    チケット転売:額面超え販売を違法化へ(法案の見込み)

    • 内容:コンサート、演劇、コメディ、スポーツ等のチケットを額面(face value)超えで転売することを違法化
    • 政府の狙い:転売屋のビジネスモデルを崩し、正規ファンが買いやすくする(ボット大量購入の抑止も期待)
    • 政府試算
      • 平均で**£37**安くなる可能性
      • 年間で合計**£1億1,200万**の節約見込み
    • 状況:議会での手続きが必要で、成立すれば2026年施行の可能性

    2027年以降の話題(施行が先のもの)

    • ウェットティッシュ(プラ入り)の販売禁止(イングランド)2027年春
      既にウェールズは類似法を通過、スコットランド・北アイルランドも追随見込みとされる
    • Martyn’s Law(対テロ対策の義務化)
      2025年4月にRoyal Assentを得たが、2027年まで執行猶予(準備期間)。
      200人以上の会場に対策計画を義務化、800人以上はCCTVや手荷物検査等の措置も求める方向
    • 安楽死(Assisted dying)
      Terminally Ill Adults (End of Life) Billが審議中。成立には上下両院で最終文言合意が必要で、2026年春に現会期が終わる前に承認されるか不透明、とされる

    まとめ:2026年は「手続き・分別・契約」の年

    • 旅行は「EUは記録+認証、英国はETA」で、空港の動線も気分も“検問感”が少し増えそうです。
    • 家ではゴミ箱が増え、職場では病欠や育休の入口が広がり、賃貸では「追い出されにくさ」が増す方向。
    • ただし、いくつかは法案段階/検討段階なので、実施日や対象は今後の確定情報も要チェックです。