数十年ぶりに封印解除──自然史博物館、第二次大戦以来の非公開ギャラリーを再オープンへ
2025年12月26日
ロンドンの自然史博物館が、長年一般公開されてこなかった2つのギャラリーを再開する計画を発表。1948年以降閉鎖されていた空間も含まれ、2026年以降、150周年を迎える2031年に向け段階的に公開される。
ロンドン屈指の名門博物館であるが、何十年ものあいだ一般公開されてこなかった部屋の扉を再び開こうとしている。
サウス・ケンジントンにある同館は、2つのギャラリーを再オープンする計画を明らかにした。そのうちのひとつ「オールド・ジェネラル・ハーバリウム(Old General Herbarium)」は、第二次世界大戦後の1948年以降、一般来館者が一度も足を踏み入れていない空間だ。この部屋は、2026年に期間限定の「Hidden Histories(隠された歴史)」ギャラリーとして公開される予定となっている。
もう一方の「オリジンズ・ギャラリー(Origins Gallery)」は、2004年から閉鎖されていたが、博物館の150周年を迎える2031年以前に、「Land and Air gallery」として再オープンする計画だ。
現在、これらの空間は一般非公開のバックヤードとして使われ、博物館が誇る膨大なコレクションが保管されている。しかし公開に向けては、数百万点に及ぶ標本の移動という、極めて大規模な作業が必要となる。
報道によると、自然史博物館が保有する標本は約8,000万点。展示されている剥製1点につき、少なくとも3,000点以上の標本が収蔵庫に眠っているという。
このうち約3,800万点の標本が来年移動予定で、一部はサウス・ケンジントン館内で移され、残りはレディング近郊に建設された数千万ポンド規模の研究拠点「テムズ・バレー・サイエンス・パーク」へ送られる。
この大胆な計画を主導しているのが、2020年から館長を務めるダグ・ガー(Doug Gurr)氏だ。同氏は2031年まで、**「毎年ひとつ新しいことを導入する」**という野心的な目標を掲げている。
今回の再オープンは、政府支援を受けた長期プロジェクト「NHM Unlocked」の一環でもある。このプログラムは、博物館の巨大なコレクションをより多く公開すると同時に、気候危機などの地球規模課題に取り組む科学拠点としての役割を強化することを目的としている。
展示されるのは恐竜だけではない。
これからの自然史博物館は、「見せる場所」から「世界の難題に立ち向かう知のインフラ」へと、静かに進化しつつある。