TfL、地下鉄・バスの運賃決済を刷新へ オイスターカードも大幅アップグレード
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    TfL、地下鉄・バスの運賃決済を刷新へ オイスターカードも大幅アップグレード

    2025年12月24日

    ロンドン交通局(TfL)は、約15億ポンド規模の新契約により、地下鉄やバスの運賃決済システムを刷新する計画を進めている。複数デバイス利用時の不便解消や、オイスターカードのクラウド化が柱となる。

    ロンドン交通局(TfL)は、地下鉄やバスを含む運賃決済システムを近代化するため、約15億ポンド規模の新たな契約を通じて、20年以上使用されてきた「スマートカード」基盤の刷新を計画している。

    この計画は**「プロジェクト・プロテウス」**と呼ばれ、運賃収受システムの運用・保守に加え、将来の需要に対応できる柔軟な決済基盤の構築を目的としている。現行契約は米国企業Cubicが担っているが、契約更新の入札により、スペイン企業Indra Groupが優先交渉者となっている。

    乗客にとっての主な変更点

    最大の改善点は、複数の支払い手段を使い分ける利用者への対応だ。現在は、コンタクトレスカード、スマートフォン、スマートウォッチ、オイスターカードを混在して使うと、運賃上限(デイリー/ウィークリーキャップ)が適用されない、あるいは最大運賃を請求されるリスクがある。

    新システムでは、同一の銀行口座に紐づく複数デバイスを統合管理できるようになり、どの端末で改札にタッチしても、すべての運賃が自動的に上限計算に反映される仕組みが導入される予定だ。

    オイスターカードは廃止されるのか

    TfLはオイスターカードを廃止しない方針を明確にしている。子ども向けのZipカードや、60〜65歳向けの割引カードなど、特定層にとって依然として重要な存在であるためだ。

    ただし、オイスターカードは現在の「カード内にデータを保存する閉鎖型システム」から、クラウド上でデータを管理するアカウントベース方式へ移行する見込みとなっている。これにより、未登録カードの紛失時に残高が失われる問題などの改善が期待される。

    契約期間と背景

    新契約は基本7年間で、双方合意により最長12年まで延長可能とされている。ただし、入札が行われたのはパンデミック直後の2022年であり、現在の移動需要の変化を踏まえ、契約内容の一部は当初想定から修正される可能性がある。

    TfLは今回の刷新により、ロンドンの公共交通を引き続き世界最先端のデジタル決済環境に保つとしている。