移民にAレベル相当の英語力を義務化 英国政府が新法案を提出
2025年10月15日
英国政府は、移民に対してAレベル(大学進学資格試験)相当の英語力を求める新たな法案を議会に提出した。ビザ申請時に政府認定の試験で英語力を証明する必要があり、移民政策の抜本的改革「Plan for Change(変革計画)」の一環として導入される。
英国政府は2025年10月14日、移民に対してAレベル(大学進学資格試験)相当の英語力を求める厳格な新要件を導入する法案を議会に提出した。この措置は、これまでの「失敗した移民制度」を置き換え、「管理された・選択的で・公正な」制度への転換を目指すものとして位置付けられている。
■ 英語力試験の強化
新制度では、一定の法的ルートで入国を申請する移民が、スピーキング・リスニング・リーディング・ライティングの4技能すべてでAレベル相当の水準を満たす必要がある。試験は内務省(Home Office)が認定した機関によって実施され、結果はビザ申請の一部として確認される。
内務大臣シャバナ・マフムード(Shabana Mahmood)氏は次のように述べている:
「この国は、貢献するために来る人々をいつでも歓迎してきました。しかし、英語を学ばず、この社会に参加できないまま滞在することは許されません。英国に来るのであれば、言葉を学び、この国の一員として責任を果たすべきです。」
■ 移民改革「Plan for Change」の一環
この措置は、政府が進める**移民制度改革の白書(Immigration White Paper)および「Plan for Change」**の柱のひとつであり、国民の求める「入国管理の厳格化」と「優秀な人材の誘致」の両立を狙う。
主な変更点は以下の通り:
- 留学生の就職猶予期間:卒業後に就職できるまでの期間が現行の2年間から18ヶ月に短縮(2027年1月1日以降適用)
- 移民技能課金(ISC):外国人労働者を雇う企業が支払う手数料を32%引き上げ(2017年以来初の改定)
→ この収益は英国人労働者の育成投資に充てられる。 - 学生ビザの資金要件:2025〜2026年度より、留学生は生活費に十分な資金を証明する必要がある。
■ 高度人材の誘致強化
政府は、英国を「高度スキル人材の国際的拠点」とするため、次のような変更も進める:
- 高潜在能力者ルート(HPI):対象大学を「世界トップ100」に拡大し、年間申請上限を8,000件に設定(現在の2,000人から4,000人へ倍増)。
- グローバル・タレント・ルート:著名な国際賞リストを拡充し、建築分野などでの証明要件を緩和。
- イノベーター・ファウンダー・ルート:英国で学んだ起業家が卒業後にスムーズに起業へ移行できる仕組みを導入。
これらの施策を通じ、映画・テレビ・デザインなど成長分野の研究者やクリエイターを積極的に受け入れる方針だ。さらなる制度改定は2026年にも予定されている。
■ その他の入国管理強化
同日午後3時以降、ボツワナ国民は短期滞在を含めて英国入国にビザが必要となった。これは、2022年以降、観光目的で入国した後に亡命申請を行うケースが急増したことへの対応だとしている。
英国政府は、これらの措置を通じて「英語力の強化」と「優秀人材の選択的受け入れ」を進め、同時に国内労働力への投資を拡大する考えを示している。今後、難民・国境管理に関する追加施策も今秋中に発表される見込みだ。